ハーブの業界に居て気になったのが、高品質でかつ廉価なドライハーブが見つからないことでした。
一般的に流通しているものは海外産のものですが、色が褪せているか、黄みがかっているものが多いです。しかし、ハーブティーにとって色みは重要な要素。色素成分がフィトケミカルとして、人の健康維持に役立つという研究が進んでおり、ハーバルセラピーの肝となるところです。おそらく、大量生産のために高温の熱風で乾燥させたために変色してしまっていると思います。
茎がそのまま入っているものもあります。まあローズマリーやタイムは茎があると調理に使いやすい面もあるのですが、ティーにするのであれば本来不要なものです。緑茶に棒茶が混ざっているようなものです。フレッシュティーだって、葉や花の部分しか使いませんから。まあ、いちいち茎から葉だけをむしるというのは手間がかかるので、やむを得ないところはあります。
対して国産のドライハーブは海外産とは逆に、品質が良い反面、非常に高価。とはいえ実際に丁寧に作ろうとすると、製造費や時間が青天井になってしまいます。
理想の製法は、エアコンのような冷風で数日~1週間乾燥させることです。それも成分が逃げないように、カットせずにそのままの形が良いのですが、そんなことを人件費や光熱費の高い日本でやろうとすると、原価が高くなりすぎて、とてもではないですが売れません。
ただ、販売しているメーカーをいくつか見ていると、かなり強気な値段設定をしていて、それでも事業として成り立つんだなと不思議に思います(もっとも、ドライハーブの販売だけではないと思いますが)。需要はあるのでしょうね。安全性や品質をハーブに求める方々が、少数ながら根強く居るということでしょうか。
食べ物に品質や安全を求める動きになって久しいですが、ことハーブに限って言えば、まだそこまで品質や安全は重要視されていなかったように思います。前に勤めていたハーブ農家では品質が悪くてもリピーターがいたのが不思議でした。ニッチな市場だからなのかもしれませんが、いずれ品質や安全性が求められる時が来ると思います。
私のやりたい事業とは、ハーブを生産、そのままドライハーブにしての販売です。最高品質とまではいかなくても、そこそこの高品質で、買い求めやすい価格でドライハーブを生産できないか。生産や加工の方法を合理化すれば、原価を抑えることができるでしょう。販売の経路も多様化しているので、実店舗は持たなくても何とかなります(むしろ持ちたくない)。
それに、良いハーブティーは本当に美味しいものです。作ったものを知人に配ることがありましたが、非常に喜んでくれました。このとき、品質を追求するのは、伸びしろがあるのだなと思うようになりました。
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