ハーブの持つ有効成分の抽出方法として真っ先に思い浮かぶのは、ハーブティーのように熱湯を加える温浸法です。道具も特段必要ありませんし、熱湯3分で仕上がるお手軽さは何物にも代え難いです。
しかし温浸法では水溶性の成分しか抽出することができないというデメリットもあります。脂溶性成分は水には溶け出さず、そのままハーブの中に残ったままになってしまいます。
それをフォローする手段の一つがチンキの作製です。
チンキとは馴染みの薄い言葉ですが、要はハーブをエタノール漬けにしたものです。エタノールは水とは異なり、ハーブの水溶性成分のみならず脂溶性成分も溶かすため、成分を余すところなく抽出することができます。
使い方は白湯に薄めて飲む、化粧水として使う、乳液に混ぜるなど。工夫次第で様々なクラフトに展開できます。
じっくり抽出するので作るのに2週間はかかりますが、いったん作ってしまうと1年は保存が利くので、まとめて作っておくと良いでしょう。
使用するエタノールはウォッカか、ドラッグストアで販売している無水エタノールです。純度が高い無水エタノールのほうが抽出しやすいのですが、口に含むものを作りたいのならウォッカが良いでしょう。
今回はエキナセアを使って、基本のチンキの作り方をご紹介します。
エキナセアには殺菌作用と免疫力アップの作用があり、チンキにしたものは、けがの消毒や風邪の予防に用いることができます。北米の先住民は伝染病が流行したとき、毒蛇に咬まれたときにエキナセアを用いたと伝えられています。
【エキナセアチンキ(できあがり約100cc)】
・材料
エキナセア(ドライハーブ)…15g
ウォッカ…150cc弱
その他
ガラス瓶
ペーパーフィルター(コーヒー用のものがちょうど良い)
遮光瓶(ガラス瓶でも可)
・作り方
1. ガラス瓶にエキナセアを入れ、エキナセアがかぶるくらいのウォッカを入れる。
2. 瓶をよく振り、冷暗所に2週間保存する。1日2回は瓶をよく振る。
3. ペーパーフィルターで漉し、遮光瓶に入れて冷暗所で保存する。
抽出ムラをなくしてカビを防ぐために、ハーブが満遍なくウォッカに浸るようにして、面倒でも1日2回瓶を振るようにしましょう。
できあがりは茶褐色をしています。
うがい薬として使うときは水で5倍~10倍に薄めて普通にうがいをすれば大丈夫です。特に今年の冬は乾燥した日々が続いていますので、すぐれた効果を発揮するでしょう。同じく傷口に当てれば消毒液としても使えます。
とっさの時のために常備しておくと何かと便利です。
次回はチンキで化粧水を作ります。
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