2012年5月27日日曜日

手作りアロマスプレー

今回は精油を使ったアロマスプレーを手作りしてみましょう。
精油は原液のままだと粘り気があって扱いづらいものですが、希釈すると気軽に使えるようになります。

基本の作り方はどの精油でも一緒です。分量の比率を覚えて、色々なアロマスプレーを試してみましょう。


■手作りアロマスプレー(約50ml)
・材料
無水エタノール…5ml
精製水(またはミネラルウォーター)…45ml
精油(好みのもので良い)…20滴

・作り方
1.ガラスの容器に無水エタノールと精油を入れ、よく混ぜて精油を完全に溶かす
2.精製水を加え、よく混ぜる


材料を混ぜる順番がポイント。先に水と精油を混ぜてしまうと分離してしまい、成分のムラができてしまいます。

できたアロマスプレーは1ヶ月以内に使いきるようにします。水分が多いのであまり日持ちはしませんので注意します。作った日や精油名をラベルに書いて貼っておくと使用期限がわかるだけでなく、誤用を防ぐこともできます。

手作りのアロマスプレーのメリットは、器材を持ち込みにくい場所でも簡単に芳香浴を楽しめること。職場や出張先のホテルなどで気分転換にさっと使う、といった楽しみ方もできます。

芳香浴以外の用途もさまざまです。


・抗菌に
ティートリーのアロマスプレーは抗菌作用が強く、特に靴に吹きかけると悪臭の元となる水虫菌などの雑菌を退治してくれます。梅雨入りしてからは足に直接スプレーしても良いでしょう。

・部屋そうじに
レモン、オレンジといったかんきつ系のアロマスプレーには、油分を分解するリモネンという成分が豊富に含まれています。フローリングに吹き付けてから堅く絞った雑巾で拭くと油汚れが取れやすくなります。

・お部屋の空気をきれいに
室内の環境を整えたいときはユーカリのアロマスプレーがおすすめです。ユーカリは抗菌、抗ダニ作用を持つだけでなく、のどの通りを良くするため風邪の季節に良いでしょう。またタバコなどの匂いも気にならなくなります。

2012年5月14日月曜日

インドカレーを作ろう その2

今回は野菜や豆を使ったインドカレーです。お店のインドカレーというと、どうしてもチキンやマトンに目を向けがちですが、菜食主義の国なのでむしろこちらの方が主流なのかもしれませんね。

$今日の夕飯、何にしよう?
まずはレンズ豆のカレー。小さい豆なので戻す手間はそれほどかかりません。水に浸しておく必要すらなく、洗って30分茹でればOKという簡単さ。作りたいときにささっとできるのが嬉しいですね。
肉類のカレーと比べるとスパイスはあまり多用しません。味付けも控えめですが飽きのこない一品です。「豆カレーは和食の味噌汁のような位置づけ」とどこかの本で見たことがありますが、まさにそのとおり。貴重なタンパク源を毎日食べられるように、あっさりとした味付けになったのでしょう。朝ご飯にもぴったりです。


$今日の夕飯、何にしよう?
次はカリフラワーのカレー。カレーといっても使うスパイスはターメリックと赤とうがらし、しょうがにガラムマサラ少々という、本当にシンプルなものです。
野菜の蒸し炒めにスパイスで香り付けをしたようなもので、野菜そのものの美味しさをしっかりと味わうことができます。逆に言うと、カレーの強い味付け素材の悪さをごまかせると思ったら甘かったです。


ところで、カレーの美味しさの正体は何なのでしょう?

ちょっと手元に資料がないのでうろ覚えなのですが、東京カリ~番長こと水野仁輔氏はその著書の中で、カレーの美味しさは「塩気」「うま味」「香り」の3要素からなると述べています。塩気はそのまま塩、香りはスパイス、うま味はたまねぎやトマトがあてはまり、これらがバランスよく整っているカレーは美味しい、というのです。
逆に言えば3要素が揃っていれば、少し型破りでも立派なカレーなのです。


$今日の夕飯、何にしよう?
例えば、これは四川料理の神様、陳建民氏が家でよく作ったという「10分カレー」。具材を小さいあられ切りにしてさっと炒め、カレー粉、しょう油、オイスターソースなどで味付けし、水溶き片栗粉でとろみをつけたものです。カレールウを使わず、しかも名前の通り手早く作っているというのに、口にするとちゃんとカレーになっていて不思議な気持ちになります。しかし具を細かくして短時間でうま味を引き出し、その上で調味料で補っているわけですから、カレーの本質をうまく突いているのですね。中華の鉄人陳健一氏の思い出の味なのだそうです。(『鉄鍋の掟―陳家の中華作法』陳 建一著より)
「カレーは煮込むもの」という思いこみを見事に覆してくれます。

カレーを作ろうとするとき、ルウカレーにしても変な固定概念にとらわれすぎているのかも、と思うことがあります。例えば「ルウは2種類以上混ぜるべし」「水ではなく赤ワインで煮込むべし」「たまねぎは長時間じっくりと炒めるべし」などなど。ですが、本来カレーなんてのはもっと自由に考えても良い食べ物なのかもしれませんね。

いっそのことインドカレーのルールを越えて、自分なりのオリジナルカレーを考え出したら素敵じゃないでしょうか。例えば油を控えめにした和のエッセンスを取り入れるとか、アイディア次第でカレーはどのようにも広がっていくはずです。

2012年5月5日土曜日

インドカレーを作ろう その1

今年の連休はあいにくの悪天候続きでしたね。私の地元でも家から出られない日が多く、そんなときはインドカレーばかり作っていました。

もうずいぶんと昔、自炊を始めた頃に何度か挑戦したことがあるのですが、どう頑張ってもただの黄色くて塩辛いだけの汁ができてしまって「これは作るものじゃない」と苦手意識を長く持っていました。しかし、どうやらインドカレーの作り方には独特の作法というかルールがあるらしいということに気づいて、それらを意識してようやくそれっぽいものができるようになりました。
素材の汁気をしっかり飛ばす、火加減を守る、あくは取らない…など、要は料理本のとおりに作れば良かっただけなのですが、昔はアレンジ…というより横着していたので、それは失敗するはずです。


ところで、インドのカレーというとお店で出すようなバターたっぷりでリッチなものを思い浮かべるかもしれませんが、なぜかどの本も「これだけがインド料理ではない!」と口を揃えています。
なんでもそれらは宮廷料理の流れを汲むもので、家庭ではもっとあっさりとしている、と。そしてインド料理はひとくくりにできないほど多様なものであるらしい。ちょうど中国料理が北京、広東、上海、四川にわかれているのと同じように、地域ごとの個性があるそうなのです。

できれば実際にインドへ飛んで確かめてみたいところなのですが、ちょっとお金がありませんので…色々な本を漁って、再現してみましょう。


まずは王道のチキンカレー。手前2種類は北インド方式で、なじみのものかと思います。左は『はじめてのインド料理』(ミラ・メータ著)の骨付きチキンカレー、右は『誰も知らないインド料理』(渡辺玲著)のチキンカレーのレシピを再現したものです。
どちらもしっかりとしたコクととろみがあって、ナンと合わせて食べたくなります。北インドは米より小麦を主食とするようなので、こうしたとろみがつくのでしょう。色が違うのはトマトの配分の差で、うまみの強さに差がでるようです。

奥のは『インド家庭料理入門』(ロイチョウドゥーリジョイ, ロイチョウドゥーリ邦子著)のチキンカレー。こちらは同じインドでも東の端、ベンガル地方の流れを汲むものです。
画像ではちょっとわかりにくいのですが、さらっとしていてスープカレーに近いものになりました。味のベースはたまねぎとヨーグルトと塩だけで上のと比べると控えめなのですが、スパイスの香りが効いてます。カレーは寝かせるものといいますが、これは、作りたてをご飯でいただくのがおすすめ。


最後は南インドのカレー。インド洋の豊富な魚介類と亜熱帯気候の食材を活かしたカレーが多いと言うことで、エビのカレーを作りました。『インド料理 ダイエット・レシピ集』((ロイチョウドゥーリジョイ, ロイチョウドゥーリ邦子著)のエビカレーを再現したものです。ココナッツミルクが加わっているのが特徴のようで、なぜかココナッツのコクがご飯によく合います。


インドカレーは出来上がりが予想できない面白さがあると私は思います。家庭料理なんかはシンプルなもので、仕上がりの味をイメージしつつ作って「狙った通り」にできたら成功だという感覚はあります。
しかし、カレーはスパイス、食材、油など様々な食材がグルグルと渾然一体になるもので、何が出来るかわからない。たまにイメージを越えた美味しさに仕上がることもあって作った本人が驚くこともあります。


次は野菜のカレーに挑戦してみましょう。