2013年2月25日月曜日

料理力を高める!料理番組の活かし方

もともとレシピ本は山のようにありましたが、最近ではブログやクックパッドの普及などもあって、誰でもレシピを公開することができるようになりました。特に定番料理なんかは、分量の微妙な違いはあっても無数にレシピが存在していて、おそらく飽和してしまっているのではないでしょうか。
しかし、レシピが溢れかえっている中でも、きょうの料理や3分クッキングなどの料理番組が一向に衰える気配が見られないのはなぜでしょう。

料理番組がなくならないのは、レシピ以外に見るべき所があるからと私は思っています。

番組では食材の分量などのレシピに目を奪われてしまいがちですが、番組のテキストがわざわざ用意されているのですから、レシピは後で確認すれば問題ありません。

むしろ見るべきは講師の動き。料理に限らず、熟練した職人の動きには無駄が一切無く、しかも短い時間の中に豊富な技術が凝縮されています。よくよく考えてみれば、料理番組というのは、教室に行かなくてもプロの動きを気軽に目にすることができる絶好のチャンスなのです。
講師の一挙一動を頭に入れて、自分でもそっくりそのまま真似るつもりで見てみましょう。もちろん番組は録画します。

例えばテーマが煮物とします。下ごしらえの段階からもう調理は始まっています。食材の切り方、大きさはどうか。包丁の使い方にもよく観察します。

煮始めの段階では、食材を入れるタイミングや水の量はどうか。火をつけるタイミングも注目します。

水が沸いてきたら火加減の調節。「中火」「弱火」と指示があっても沸騰の勢いを見たいもの。ボコボコとしているか、ふつふつとしているか。
調味料を入れた際の食材の状態は。煮汁の微妙な色あいも目に焼き付けます。

仕上がり。食材や煮汁がどのような状態になれば「できた」と見るか。時間はおおよその目安にすぎません。

最後の盛りつけも大切です。柔らかい食材を傷つけない箸づかいをよく見て。

ひととおり見終わったらいよいよ実践となります。調理を進めていくうちに、迷いというか「あれはどうだったっけ?」という疑問が出てきます。とりあえず記憶に留めておき、仕上がりを確認します。
うまくいっても、残念ながらいまひとつだったとしても、もう一度番組を確認して、疑問点を晴らしていき、再挑戦。番組を録画して二度三度と見返すことも、よくあります。
この繰り返しで、その料理はようやく自分のものになると私は思っています。そして自分の体で覚えた料理を増やすことで技術が高まり、応用が利くようになっていくのではないでしょうか。

2013年2月17日日曜日

江戸野菜 汐入大根

$今日の夕飯、何にしよう?
この大根、スーパーでよく見かけるものとはちょっと違います。なんだか華奢ですし、上の部分は緑でない。
それもそのはず、これは同じ大根でも、汐入大根と呼ばれる珍しい品種なのです。かつて東京の各地で野菜の栽培が行われていた頃、さかんに収穫されていた江戸野菜の一つです。

その味もまた個性的。皮の部分に辛味が集中しており、その辛さは辛味大根をほうふつとさせるほどなのですが、加熱すると気になりません。身は甘く、しっかりと締まっています。うま味のある葉もぜひ使いたいもの。

現在は築地市場か直売所でしかお目にかかれないようです。やはり扱いが難しいから(作る方も調理する方も)というのもあるのでしょう。
しかし水面下では普及を進める動きも、確かにあります。
ある小学校では教育の一環として汐入大根に限らず江戸野菜を種から育てる教育をしているのだとか。また大学教授や野菜ソムリエなど専門家たちが集まる研究会もあります。(今回手に入ったのはその研究会にお邪魔したから)
いずれ陽の目をみるときが来るのでしょうか。

研究会では、けんちん汁ベースのすいとんやバター醤油炒めとして振舞われ、おいしく仕上がっていました。

$今日の夕飯、何にしよう?
さて、さっそく調理です。今回はシンプルにだしと醤油のみで味付けした「大根と油揚げの炊いたん」にしました。
…が、ちょっと失敗。大根のえぐみが全面に出てしまい、なんとも食べにくい一品になってしまいました。下茹でしたほうが良かったのでしょうか。ふつうの青首大根だと味が決まるのですが…そこは個性的な江戸野菜。やはりそう簡単にはいかないようですね。


今回お邪魔した研究会はこちら。
NPO法人ミュゼダグリ

2013年2月10日日曜日

カレンデュラ軟膏を作りましょう

$今日の夕飯、何にしよう?
今回は肌にやさしいカレンデュラの軟膏を作りましょう。

カレンデュラ(マリーゴールド)は鮮やかな黄色の花びらが特徴ですが、その花びらの色素はカロチノイド、フラボノイドなどの有効成分であり、皮膚の再生や炎症を抑える効果があると言われています。

特にカレンデュラの成分を抽出したカレンデュラオイルとビーワックス(みつろう)とを合わせて作った軟膏は「万能軟膏」と呼ばれ、荒れた肌への塗り薬として用いられてきたのだそう。切り傷やひっかき傷だけでなく、ひびわれ、あかぎれ、湿疹になった部分に塗ると、傷口をふさぎ、回復を早めると言われています。

カレンデュラオイルは市販されていますが、自分で作ることもできます。その際は園芸用のマリーゴールドを使用してはいけません。カレンデュラと品種は似ていますが別物です。ハーブショップやアロマテラピー用品を扱うお店で求めると間違いないでしょう。

$今日の夕飯、何にしよう?
これが自作のカレンデュラオイルです。カレンデュラの黄色がオイルに溶け込み、黄金色になりました。

もうひとつの材料であるビーワックス(みつろう)は、みつばちの巣から抽出したワックスです。オイルと混ぜることで固まり、肌の持ちをよくしてくれます。


$今日の夕飯、何にしよう?
【カレンデュラ軟膏(約40cc)】
・材料
カレンデュラオイル(作りやすい分量)
 カレンデュラ…2g
 好みのキャリアオイル…60cc
カレンデュラオイル…25cc
ビーワックス(みつろう)…5g
ローズウォーター(なければ精製水)…10cc

・作り方
1. カレンデュラオイルを作る。清潔なビンに材料をすべて入れ、2週間置く。途中1日に1回程度、ビンを振る。
2.1をコーヒーフィルターなどで漉す。3ヶ月程度は保存可能。
3. 軟膏にする。分量のカレンデュラオイルとビーワックスを、ビーカーや小鍋などに入れて湯煎にかける。木べらなどで混ぜながら、ビーワックスが完全に溶けるまで温めて湯煎からはずす。
4. 温かいうちに、かき混ぜながらローズウォーター(または精製水)を少しずつ加える。水分と油が分離しないようにしっかり混ぜること。白っぽく、粘りけが出るようになれば清潔な容器に移す。1ヶ月程度で使いきるのが望ましい。


$今日の夕飯、何にしよう?
敏感肌の方は、カレンデュラオイルを肌に数滴たらし、1日置いて炎症などが起きないことを確認してから使用してください。

2013年2月3日日曜日

白菜の漬け物

漬け物を自宅で作ることは、なかなかないのではないでしょうか。出来合いのものを買ってしまいがちですが、思い切って手作りの漬け物に挑戦してみました。
漬ける野菜は、今の時期ちょうどおいしい白菜です。
レシピは『おかずのクッキング 2013年 01月号』のものです。


白菜は水分を大量に含む野菜です。水気を抜き取るために「下漬け」「本漬け」の2つのステップを踏むことが大切です。


$今日の夕飯、何にしよう?
漬ける前にベランダで1日干します。


$今日の夕飯、何にしよう?
まずは白菜の水分を出す下漬け。白菜の4%の塩をして重石をのせます。重石は白菜の重量の2倍で。


$今日の夕飯、何にしよう?
2日下漬けした白菜は、ほどよく水気が抜けて弾力が出てきます。溜まった水を捨てて白菜を絞ります。水が冷たく一苦労ですが我慢です。


$今日の夕飯、何にしよう?
最初の半分くらいのかさになりました。これで下漬けが完了です。


$今日の夕飯、何にしよう?
いよいよ本漬けです。昆布と合わせてうま味を足します。抗菌の効果がある鷹の爪も一緒に入れましょう。
重石は半分にします。


$今日の夕飯、何にしよう?
2、3日すれば文字通り、手塩にかけて作った白菜の漬け物の完成です。とはいえ自然に任せて放っておいたら自然においしくなった…と言った方が正しいのかもしれませんね。


$今日の夕飯、何にしよう?
日々食べ進めていると発酵による味の変化がよくわかります。徐々に複雑なおいしさに変化していくのですが、浅漬けの段階もこれはこれでいいものです。
白菜の水分が抜けて引き出されたうま味や甘みと、そこに昆布のうま味と塩気が混じり合った美味しさは、シンプルですが飽きのこないもの。
漬け物と生野菜のきわのおいしさを楽しめるのも、手作りならではです。