2012年9月19日水曜日

人は口と心で食べる

あるパーティーに呼ばれたときのことでした。隣合った人に目をやると食べ方の汚さが気になりました。周囲に食べカスを散らかしていてまるで子供みたい。
なんだかなと思いつつ目の前の食事に戻ると、その人が話しかけてきて
「フェイスブックとかツイッターとかやってますか?」
私はとっさに、していないと嘘をついてしまいました。なんとなく、その人とはウマが合わない予感がしたからです。

食事は人の本性が現れるもの、ということを、ふと思い出しました。食べるとは人が本来持っている欲求を満たすための本能的な行為。本能が剥き出しになればその人となりが自然と浮き彫りになるという。
その後の彼の言動を見ていて、あの場で嘘をついたのは間違ってなかったと確信しました。結局彼とそれ以降会うことはありませんでした。

逆に、いい食べ方ができる方は人に慕われやすいのかなと思います。
私の知人の一人がそうなのですが、とにかくよく食べて、3食のみならず気がつけば何かを口にしているような人です。私がお菓子作りにハマっていた頃によくお裾分けをしたのですが、口にすると本当に幸せそうな表情になり、作った甲斐を感じたものです。
そんな知人の周囲には自然と人が集まります。


また、私が以前にいた会社では、どの人もなぜか食べるのが早かった。会社の先輩たちと一緒にお昼に行くことがよくありましたが、私はあと半分というところなのに周りは食べきって一服しているというくらいです。
どうして誰も彼もささっと食事を済ますのだろう…いま振り返ってみれば、その会社は誰もがあくせくと働いていました。常に仕事量がすさまじい職場でしたから、何事にも素早く、という社風が食事にも現れていたのだと思います。
もしかしたら、仮に私がその会社に居続けたとしても、結局は長続きしなかったのでは…今も変わらずマイペースに食事をしながら、そんなことを考えることがあります。

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