2018年10月16日火曜日

根無し草のジレンマ

市が主催する農業研修の案内が来ました。主に市民農園を借りている市民を対象としたもので、毎月2、3回の研修を2年間。研修を終わらせると、特例として農地の借用がしやすくなるそうです。

もし地元で農地を借りられるとなれば、現在の仕事を減らし、農業をダブルワークの形で行えるので、起業のリスクが低く抑えられます。最初から専業農家として始めるのは、あまりにもリスクが高いと思っています。おそらく最初の1、2年は利益が出ないはず。土づくりから始まり、ローズマリーやセージなどの低木でまとまった収穫が期待できるまで一から育てる必要があります。その間を無収入で凌ぐのは厳しい。

私にとっては渡りに船なのですが、一つ気がかりなのが、そもそもこの地域は市街地なので、農地の取得が難しい点です。前にも書いたように、農地が次々とマンションになっている場所です。仮に借りられることになっても、土地代は周辺より高くなるはずです。農業を行うのに不利なこの場所に、あえてこだわる必要はないと思います。

そしてもう一つ引っかかっているのが、そもそも私自身がこの地域の価値観になじめていないという点です。この地に転職してから様々な人に触れてきましたが、どうにも保守的、閉鎖的な価値観を持つ人が多いようです。まあ皆さんには良くしてもらっているのですが…内心では、どこかで線を引いていました。

おそらく、いずれこの地域から離れることになると思います。しかし農業を行うということは、地域に根ざすという一面があるのも事実。市はそのつもりで研修を行っている意図もあるでしょう。研修を受ける裏で地域から離れる準備をするのは、背信的な行為になるのではないか。とはいえこの地域で農業を続けていっても頭打ちなのは目に見えていますので、悩んでいます。

0 件のコメント:

コメントを投稿