2014年9月30日火曜日

営業活動

私の知人の何人かはフリーランスで生計を立てているのですが、自分の身一つで生きていくというのは途方もない苦労が伴うものだと、私は時に感服することがあります。そして、その苦労の大部分は営業なのではないか、と最近思うようになりました。

寄らば大樹の陰とはよく言ったもので、「この仕事は自分の実力でこなしている」と自負していても、実際は勤めている企業のブランドがあり、営業部隊が必死になってコンペで勝ち取っているから仕事にありつけていたりします。そして、いざ大樹から離れて初めてその自惚れに気づき、自分の営業力の無さに打ちひしがれながら望まないバイトでなんとか食いつなぐ、そんな人たちを私は何人も見てきたような気がします。
仕事は待っていても来ないもの。ある元営業マンは「飛び込みをガンガンやるしかないんだよ!」と口癖のように言っていましたが、正直、私には無理だなと少し引き気味に話を聞いていました。


スピリチュアル系の活動を生業にしている知人がいます。仕事の内容が内容なだけに、必然的にフリーランスの身の上、しかも独身なので家計の支えが無い。もともとは会社に勤めながらの副業だったのですが、本業にしようとした途端に、食べるものにも困るほど生活が窮するようになったと言います。となると、飛び込みでも何でもいいから営業をかけて、自分を売り込み、仕事を得るしかありません。食い扶持をつなげるためには、なりふり構ってはいられません。

会社を退職してからというもの、知人は随分と変わってしまったように見えました。久しぶりにお茶をして話をしていても、どうしても「仕事がほしい」という欲求がちらついてしまってます。かといって、こちら側も付き合いでお金を払うのにも限界があるので、曖昧な反応でお茶をにごすしかないのが苦しいところです。
彼女のブログも、以前は独自の目線で物事を深く掘り下げた内容が多く、読みごたえがあったものでしたが、最近では「今日はどこそこの誰かとエネルギーワークでした!」とか「尊敬する○○さんのセミナーにようやく参加。感動しました!」という感じで、要は、方々に出向いた以上、という表面的な記事ばかりになってしまい、なんだか端から見れば面白味がない。

横のつながりアピールは、まあリンクを増やして検索エンジン対策がどうのこうの…というわけで意図してやっている節があります。きっとイベントに参加してはここぞと名刺をバラ蒔いているんだろうと想像がつきます。
「一人で生きていくというのは、そういうことだ」と言われてしまえばそれまでですが、彼女からは必死という雰囲気が漂い、なんだか切なくなります。


大樹に寄ってきただけの私には、知人の営業活動をただ眺めるだけでもうお腹いっぱいの気分になり、「やはり自分にはフリーは無理だ」と諦める決心をつけてしまいました。


本当は元の知人に戻ってほしいのですけれども…

2014年9月10日水曜日

緑豆のカレー


おとといの2014年9月8日は二十四節気の白露にあたります。
露ができるほどに冷えてくる時季という意味がありますが、朝夕はともかく日中はまだ残暑が厳しいもの。夏の間に消耗した体力を取り戻すのはまだ先の話、今は無理をせず静養を心がけたいものです。


晩夏になると私はお酢のものやいわゆる「暑気払い」と呼ばれる冬瓜など、身体に優しいものを意識して食べるようにしています。その中でも今回は緑豆(ムング豆)を使ったシンプルなカレーを作りました。

インドカレーの本を見ると、必ずといって良いほど豆のカレーが紹介されています。しかも緑豆だけでなくレンズ豆、ヒヨコ豆など種類が豊富で味付けも多彩。菜食主義が中心で厳しい気候のインドでは、豆は貴重なタンパク源であるとともに、身体を養うための役割を果たしてきたのだろうと私は思います。


中国やインドでは緑豆は火照った体を冷まし、疲労した時に積極的に食べるものとされてきたそうです。またタンパク質や鉄分も豊富、お腹に優しいと、まさに至れり尽くせり。私は暑い時季に入ると大量に作っておいて、毎朝少しずつ食べています。


【緑豆のカレー(4人分)】
・材料
緑豆…1.5カップ
タマネギ…中1個
しょうが…1かけ
トマト…中1個
サラダ油…大さじ1
カレー粉…小さじ2
コリアンダーの葉…適量
青唐辛子(ししとう)…適量

・作り方
1. 緑豆は汚れがなくなるまでよく洗い、水3カップとともに鍋に入れて30分火にかけ、柔らかくなるまで煮る。
2. タマネギはみじん切りに、トマトは角切りにする。しょうがはすりおろす。コリアンダーの葉は手でちぎる。青唐辛子は小口切りにする。
3. フライパンにサラダ油を入れて中火で熱し、タマネギを入れる。タマネギが透きとおるくらいに火が通ればトマトを入れ、トマトの形が崩れるくらいになるまで炒める。
4. カレー粉を入れて1~2分火を通したら1の緑豆をゆで汁ごと入れ、弱火で5分程度煮込む。
5. 皿に盛り、好みでコリアンダーの葉、青唐辛子を添える。

2014年9月4日木曜日

みんなで食べれば怖くない 『禁断のレシピ』


今までにない料理本が出ました。どことなく毒々しい赤紫の表紙、妖しくテカテカ光るシロップ状の何か、「怒濤の106040kcal」の文字。
そして極めつけは、著者が枝元なほみさんと多賀正子さん。

本書はタイトルの通り、肉、炭水化物、脂を惜しげもなく使いまくったレシピが満載です。例えば、
 牛塊肉1kgをまるごと揚げた「ローストビーフ」
 にんにく1粒を1個1個丁寧に包み込んだ「スタミナギョーザ」
 食べきれないほど、嫌と言うほど甘いもの食べ放題「でっかティラミス」

塊の肉をまるごと使って料理したい、明日のことは考えずに好きなものを食べたい、いつもはこぢんまりと飾られたケーキを思う存分食べられたら…
いかにも体に悪そうだけれども、誰もが1度は思った欲望を満足させる、これらはまさに禁断のレシピ。

多賀正子さんは過去にも似たようなレシピを出版社に打診したそうなのですが、「さすがにそれはちょっと…」と止められていたのだとか。
その秘伝の料理を惜しげもなく公開した2人。会話も弾み、本当に楽しそうです。

「(カツサンドのカツに)薄切りの豚肉を使うと、衣たっぷりでカリッとした食感になるし、ソースが肉の中心までドボドボッてしみ込んで、豚カツよりしっかり味が入るんですよ」
「だって、マッシュポテトって飲み物みたいなものでしょう?」(と言いつつ大量のバター、マヨネーズ、生クリームを…)
(『禁断のレシピ』の禁断の裏話より)


もちろん、ウン千キロカロリーの禁断の料理たちを一人で食べろとは言いません。枝元なほみさんはパーティ料理にぜひと言います。
みんなで食べれば怖くない…?


この本を紹介しておいて何ですが、私の食事はというと、普段は野菜中心でして、本書とは真逆の食生活を送っています。それどころか歳のせいか肉や揚げ物類はもう量を食べられなくなってしまい、正直なところ、料理の写真を見るだけで胃がずーんと重くなるくらいです。しかし…

気心の知れた友人たちと「今夜は弾けようぜ」とか言って、ジャンキーな食べ物をがんがん食べながら、夢や愚痴、良いことも悪いことも含めてワイワイ語り合う。そして翌朝、重い胃袋を抱えながら気だるそうに、しかし変な充実感に満たされながらそれぞれの帰路につく…なんて、まるで青春の1ページにある光景みたいで、私はちょっと憧れを抱いてしまいます。