2012年1月30日月曜日

チンキを作る その2 ハンガリアンウォーター(若返りの水)

前回はエキナセアでうがい薬を作りましたが、今回は化粧水を作ります。主材料は、ローズマリーです。

ローズマリーは抗酸化作用と強壮力にすぐれ、若さとエネルギーを与えてくれます。ティーはもちろんのこと、例えばワインに漬けて薬用酒にすると、弱った身体に活を与えてくれます。

こんなエピソードもあります。その昔、ハンガリーでは王妃が長年国政を敷いていましたが、高齢で体調を崩してしまいます。見かねた僧侶がローズマリーで作った薬を献上したところ、王妃はみるみる若さとパワーを取り戻し、ついには隣国ポーランドの王子に求婚されました。それは、王妃が70歳を過ぎた頃のことと伝えられています。
僧侶が作ったとされるこの薬は、伝説にちなんで若返りの水、ハンガリアンウォーターと名付けられました。


$今日の夕飯、何にしよう?
【ハンガリアンウォーター(若返りの水)(できあがり350cc弱)】
・材料
ローズマリー…10g
ペパーミント…10g
オレンジピール…2g
ローズ…8g
ウォッカ…400cc

・作り方
1. 材料すべてを瓶に入れてよく振り、冷暗所に2週間保管する。1日2回瓶をふるようにすること。
2. コーヒーのペーパーフィルターで漉す。

※レシピは『アロマテラピーの教科書(和田 文緒著)』を基に作成


$今日の夕飯、何にしよう?
化粧水として使う場合は蒸留水で薄めます。だいたいアルコール度数が5%くらいになるように調整します。無水エタノールなら20倍に、ウォッカなら8倍~10倍が適量です。
もっと保湿効果を高めたいのであればグリセリンを5%くらい混ぜると良いでしょう。


ハンガリアンウォーターのレシピはいくつかあるようですが、ローズマリーの他にオレンジやローズの成分を足すとことは、だいたい共通しているようです。私が通っていたスクールの先生のレシピも、上のとは少し違うものでしたが、主成分という観点では大差ないのかなと思います。

ところで少し話はそれますが、その先生も若いと思っていたら、(だいたいの)実年齢を知ってびっくりしたことがあります。若さの秘訣は何だろうと考えていて、日常にハーブを取り入れているのはもちろんだと思うのですが、先生は穏やかな性格でしたから、ガツガツと生き急いでいないのも大きいのかなと私は当時思いました。
その辺の知識には疎い私なので大層なことは言えませんが、もちろん、化粧水の力で肌のハリを保つのも大切なことだとは思います。ですが食事や睡眠といった生活の基本を大切にすること、心理的なものも、同じくらい重要なのではないでしょうか。

2012年1月23日月曜日

チンキを作る その1 エキナセアでうがい薬

ハーブの持つ有効成分の抽出方法として真っ先に思い浮かぶのは、ハーブティーのように熱湯を加える温浸法です。道具も特段必要ありませんし、熱湯3分で仕上がるお手軽さは何物にも代え難いです。
しかし温浸法では水溶性の成分しか抽出することができないというデメリットもあります。脂溶性成分は水には溶け出さず、そのままハーブの中に残ったままになってしまいます。

それをフォローする手段の一つがチンキの作製です。
チンキとは馴染みの薄い言葉ですが、要はハーブをエタノール漬けにしたものです。エタノールは水とは異なり、ハーブの水溶性成分のみならず脂溶性成分も溶かすため、成分を余すところなく抽出することができます。
使い方は白湯に薄めて飲む、化粧水として使う、乳液に混ぜるなど。工夫次第で様々なクラフトに展開できます。
じっくり抽出するので作るのに2週間はかかりますが、いったん作ってしまうと1年は保存が利くので、まとめて作っておくと良いでしょう。

使用するエタノールはウォッカか、ドラッグストアで販売している無水エタノールです。純度が高い無水エタノールのほうが抽出しやすいのですが、口に含むものを作りたいのならウォッカが良いでしょう。


今回はエキナセアを使って、基本のチンキの作り方をご紹介します。
エキナセアには殺菌作用と免疫力アップの作用があり、チンキにしたものは、けがの消毒や風邪の予防に用いることができます。北米の先住民は伝染病が流行したとき、毒蛇に咬まれたときにエキナセアを用いたと伝えられています。


今日の夕飯、何にしよう?
【エキナセアチンキ(できあがり約100cc)】
・材料
エキナセア(ドライハーブ)…15g
ウォッカ…150cc弱
その他
 ガラス瓶
 ペーパーフィルター(コーヒー用のものがちょうど良い)
 遮光瓶(ガラス瓶でも可)

・作り方
1. ガラス瓶にエキナセアを入れ、エキナセアがかぶるくらいのウォッカを入れる。
2. 瓶をよく振り、冷暗所に2週間保存する。1日2回は瓶をよく振る。
3. ペーパーフィルターで漉し、遮光瓶に入れて冷暗所で保存する。

抽出ムラをなくしてカビを防ぐために、ハーブが満遍なくウォッカに浸るようにして、面倒でも1日2回瓶を振るようにしましょう。


できあがりは茶褐色をしています。
今日の夕飯、何にしよう?

うがい薬として使うときは水で5倍~10倍に薄めて普通にうがいをすれば大丈夫です。特に今年の冬は乾燥した日々が続いていますので、すぐれた効果を発揮するでしょう。同じく傷口に当てれば消毒液としても使えます。
とっさの時のために常備しておくと何かと便利です。


次回はチンキで化粧水を作ります。

2012年1月21日土曜日

にんべんに行ってきました

$今日の夕飯、何にしよう?
日本橋にんべんに行ってきました。にんべんはかつおぶしの老舗ですが、つい最近コレド室町に本店を移設したようです。
エレベーターを上がると、だしのいい香り。かつおぶしの老舗らしく、かつおぶしはもちろん、削り器や白だしといった調味料、ふりかけ類も豊富に取り扱っています。

商品開発も積極的です。半透明でカラフルな削り器や、電子レンジで気軽にかつおだしが取れる調理器なんてのもあります。後者のは以前野菜ソムリエ講座で実際にデモンストレーションしていただいたのですが、普段使いのだしがちゃんと取れていました。
いままでに見られた木製の削り器などとは違い、これらの商品はどちらかというとモダンな印象を受けます。だしcafeもそうでしたが、若年層を取り入れようという意図がうかがえます。

あれこれ試食して印象に残ったのは「味噌キムチのソフトふりかけ」でしょうか。キムチときてガツンと来るかと思いきや、噛むほどにじわじわとおいしさが広がる感じで、名前に反してなんだか日本的でした。


併設する日本橋だし場はイートインスペース。100円から気軽に一番だしをいただけます。ランチはご飯ものも取りそろえており、とても魅力的なラインナップです。かつおまぶしのおにぎりは一度チャレンジしてみたいと思いました。

$今日の夕飯、何にしよう?
一番だし(100円)とカツオ角煮まん(250円)。だしはお好みで塩としょう油を足し、お吸い物仕立てにします。


余談になりますが、最寄りの三越前駅から日本橋駅への道には乾物専門店が軒を連ねていました。オープンスペースでお店の様子を気軽にうかがえるので、散歩がてら覗いてみるのも面白いでしょう。(ただし結構いい値段してます)

にんべんhttp://www.ninben.co.jp/

2012年1月18日水曜日

だしCafeに行ってきました

$今日の夕飯、何にしよう?
有楽町のだしCafeに行ってきました。ここは味の素が「だし」の魅力をより多くの人に知ってもらいたいという意図で作られた展示スペース。
だしの取り方を学べるのはもちろん、かつおぶしや昆布の展示、書籍コーナーもあります。

店内はオープンスペースで名前の通り明るいカフェのよう。とても入りやすい雰囲気となっています。
ターゲットは若い女性のようで、女性向けのセミナーも積極的に開催しています。料亭の板前を講師に招いた本格的なものから、美容や健康とも絡めた内容までさまざま。セミナーの様子が写真で展示されていますが、どの回も多くの方が足を運んでいるようです。


$今日の夕飯、何にしよう?
無料でだしを試飲することができます。今回行ったときは「お雑煮だしの飲み比べ」ということで、関東風の吸い地と関西風の白味噌仕立ての2つでした。関東風は塩味できりっとしているのに対して関西風は甘く、正反対の個性を持っています。
だしの取り方のデモンストレーションも1日に数回行われます。私が行ったときはちょうどデモ中でしたが、参加者の顔ぶれは老若男女さまざまでした。

セミナー以外は全て無料なので、気楽にだしを知ってみたい方におすすめです。


水1リットルに対して必要な量は?
$今日の夕飯、何にしよう?


昆布やいりこ。いりこはカタクチイワシだけではありません。
今日の夕飯、何にしよう?
今日の夕飯、何にしよう?


立派な昆布です。両手を広げた幅くらいはあったかな?(ちょっと誇張しているかも)
$今日の夕飯、何にしよう?

dashi cafe(だしCafe)http://www.ajinomoto.co.jp/kfb/dashi-cafe/

2012年1月12日木曜日

白菜の一夜干し

$今日の夕飯、何にしよう?
白菜の内葉を一夜干しにしました。やり方は単に白菜をざるに敷いて、ベランダに一晩置いておくだけです。画像の上のが干す前、下が後ですが、水分が抜けた分一回り小さくなり、内葉のうま味がより一層増します。
切り口を上にするときれいに干せます。

もともと白菜の美味しさは自己主張が控えめなものなので、だしや肉などのうま味と合わせるのが一般的です。しかし一夜干しにしたものははっきりとした甘みとうま味が前に出るので、白菜そのものを楽しむ使い方ができます。



$今日の夕飯、何にしよう?
例えば、これは白菜を軽く焼いたもの。ある料理番組のレシピをアレンジしたものですが、表面をさっと焼き、その後ふたをしてじっくりと火を通します。仕上げにソースをかけるのを見て、斬新だなと印象に残りました。凝ったものではないのですが、白菜のうま味をしみじみと感じたものです。

ソースが合うのならお好み焼きにするのも面白いと思いつきました。


$今日の夕飯、何にしよう?
【干し白菜のお好み焼き(1枚)】
・材料
白菜の一夜干し…150g(内葉ならだいたい1/8玉分)
鰹だしと卵…計1/2カップ
小麦粉…50g
山芋…40g
干しエビ…大さじ1
豚バラ肉薄切り…3枚
サラダ油…適量
お好み焼きソース…適量
マヨネーズ、からし、青海苔など…適量

・作り方
生地を作る
1. 山芋はすりおろし、鰹だしと卵と合わせてよく混ぜる。小麦粉を入れ、混ぜすぎないように合わせる。
2. 白菜はみじん切りにして干しエビと一緒に1に混ぜる。

焼く
3. フライパンにサラダを入れて油熱し、生地を広げて中火で焼き色がつくまで3分ほど焼く。上に豚バラ肉をのせる。
4. 生地を裏返し、火を弱めてふたをして5分ほど蒸し焼きにする。
5. ふたたび生地を裏返し、3分ほど焼く。
6. 皿に盛りソースを塗る。お好みでマヨネーズ、からし、青海苔などをかけていただく。


途中蒸し焼きにして白菜にじっくりと火を通すことで、ソースに負けない、白菜の甘みやうま味が引き出されます。キャベツのお好み焼きとはまた違ったおいしさです。

2012年1月7日土曜日

ピェンロー(白菜鍋)

白菜がだいぶ安く、甘くなりました。一時期は1/8玉で200円という無茶がまかり通っていましたが、今だと同じ値段で1玉まるごと買えてしまいます。

白菜と一言でいっても柔らかさや甘みは一様ではありません。部位によって、それぞれの特徴があります。
緑の葉の部分はちぢれがあることから調味料が絡みやすいので、濃いめの味付けが似合います。麻婆風に仕立てるのなんかいいですね。
芯は煮込むほど柔らかくなり、甘みも増します。10分20分と言わずに1時間近く、これでもかというほどくたくたにするのがオススメです。
中心の黄色い部分(内葉)は柔らかく、そのままでも強い甘みを持っているので生食にも向いています。

今回は白菜の芯をじっくりと煮込む鍋、ピェンローをご紹介します。
ピェンローは、もともとは中国の家庭料理(?)なのだそうで、エッセイストの妹尾河童氏が著書の中で紹介したのが日本で最初と言われています。その後、ネットが普及するにつれ急速に広まっていきました。


$のだのブログ(仮)
【ピェンロー(白菜鍋)2人分】
・材料(分量は適当で構わない)
白菜…芯を1/2玉分
鶏もも肉…1/4枚
豚バラ肉…50g
春雨…30g
干ししいたけ…3個
水…適量
塩…小さじ1
中華スープの素…小さじ1
ごま油…30cc

・作り方
1. 白菜は輪切りに、肉類はぶつ切りにする。春雨と干ししいたけは戻す。(干ししいたけの戻し汁は取っておく)
2. 白菜、肉、春雨、干ししいたけを鍋に入れ、水と1の干ししいたけの戻し汁を注いで火にかける。
3. 沸騰したら弱火にして塩、中華スープの素を入れて1時間煮込む。アクはていねいに取る。
4. 仕上げにごま油をかける。
5. 取り皿にとり、好みで塩やこしょう、七味唐辛子をまぶしていただく。


いたってシンプルな家庭料理ですが、「ちょっと作りすぎたかな?」という量でもペロリといただけます。
材料や調味料の分量も好みに応じて調整しても大丈夫です。肉はベーコンや鶏手羽に代えたり、昆布を足したり。塩加減も味見をしつつ決めています。

ただし、重要なポイントが2点あります。それは、あれこれ入れすぎないこと、ちょっと上質の材料を使うようにすること。
こういった料理は一口して「おいしい!」というものじゃなくて、最後までいただけて初めて「おいしかった!」と思えるようなものを目指します。濃いうま味、複雑なおいしさを狙うと食べている途中で疲れてきてしまいます。
また、素材のおいしさがストレートに出てしまうので、材料はなるべく良いものを使うようにします(特に塩とごま油)。肉類は臭みのない新鮮なものを。
あとは各人の好みに応じて自由自在にアレンジしても良いのではないでしょうか。

次回も白菜の魅力に迫ってみます。