2012年9月30日日曜日

果物、食べてますか

1日に必要な野菜の量は350g。これは平成12年に政府が食生活指針で定めた量で、野菜ジュースのCMなどで広く知られてきた感があります。しかし、この目標量が果物にも定められていることは、あまり知られていません。

野菜と比べて「ハレのもの」という印象がある果物ですが、政府は先の指針の中で、果物は野菜と同じく必需品であると位置づけており、1日200g食べるのを目標としました。また同時に「毎日くだもの200g運動」を立ち上げ、果物の普及を進めようとしています。

しかし果物の消費量はそれほど増えていないのが現状です。平成22年の国民健康・栄養調査では1人が1日に食べる果物の量が平均101.7gという結果が出ており、目標の半分しか達成できていません。
同じく平成22年に果物普及啓発協議会が実施したアンケート調査によると、果物を食べない主な理由は「すく傷む」「高価」「調理が面倒」であり、果物は高級品で手が出しにくいというイメージが依然として根強いことがわかります。
しかし今は生産者や販売側の努力で状況が大きく変わりました。

「すぐ傷む」のは確かなのですが、最近はバラ売りやカットフルーツが一般的となり、一人暮らしの世帯でも食べきりの量で手に入るようになりました。
「高価」なのは贈呈用は確かにそうなのですが、今はお手頃な価格の果物が増えてきています。例えばバナナは1本30円、キウイは1個50円。それぞれ1個約90gなので、100円も払えば目標の200gをほぼ達成できます。
品種改良で「調理が面倒」ということも少なくなってきました。種のないブドウやスイカはその一例。特に飲み込む力の弱ったお年寄りに好評のようです。
何より切るだけ、皮をむくだけで一品として成り立つのは、野菜にはない果物の大きなメリットです。時間のない朝でもパンと果物があれば、それだけで立派な朝食になります。

体に良さそうなのは何となくわかるけれども、手を出すのはちょっと…というイメージのある果物、実際はイメージよりもぐっと身近なものになりました。近いうちにいずれ、何かのきっかけで果物が脚光を浴びる日が来るのではと思います。

2012年9月23日日曜日

ゴーヤしりしりー

沖縄では夏になるとゴーヤが毎日必ず食卓に並ぶ、と聞いたことがあります。
夏の亜熱帯の暑さは相当こたえるに違いありませんが、先人たちはゴーヤのパワーに気づいて乗り越えてきたのでしょう。実際に近年になって、ゴーヤのモモルデシンという苦み成分が胃腸を整え、食欲をアップさせるのではという研究結果が出ています。


今回はゴーヤのイボの部分をすりおろし、それにかんきつ類を合わせた「ゴーヤしりしりー」を作りましょう。

元々はゴーヤの絞り汁をそのまま飲む料理でしたが、絞りカスも余すところなく利用したいとの思いからゴーヤしりしりーが生まれました。(『てぃーあんだ』山本彩香著より)
ゴーヤをすりおろすだけの簡単な料理ですが、ポイントはゴーヤをする時は力を抜いて、気長にやること。ここで焦ると舌触りがざらざらしてしまいます。
ゴーヤ以外の材料は好みのもので構いませんが、はちみつの甘みを少し加えると苦みがやわらかくなり、食べやすくなります。


$今日の夕飯、何にしよう?
【ゴーヤしりしりー(1人分)】
・材料
ゴーヤ…100g
シークワーサー…1個(なければレモン、すだちなどかんきつ類なら良い)
はちみつ…小さじ1/2

・作り方
1. ゴーヤはおろし金で力を加えずにすりおろす。緑のイボの部分が見えなくなり、指でたわむ程度までおろしたら良い。
2. 1にシークワーサーの絞り汁、はちみつを合わせて混ぜる。


まるで「飲むサラダ」のような仕上がりになります。はやりのスムージーとはちょっと違いますけどね。ちなみに「しりしりー」という名前はすりおろす音から来ているのだそう。
激しい運動の後や朝起きた時に水代わりに口にすると、ゴーヤの汁が優しく体に沁み入ってくる気がします。

2012年9月19日水曜日

人は口と心で食べる

あるパーティーに呼ばれたときのことでした。隣合った人に目をやると食べ方の汚さが気になりました。周囲に食べカスを散らかしていてまるで子供みたい。
なんだかなと思いつつ目の前の食事に戻ると、その人が話しかけてきて
「フェイスブックとかツイッターとかやってますか?」
私はとっさに、していないと嘘をついてしまいました。なんとなく、その人とはウマが合わない予感がしたからです。

食事は人の本性が現れるもの、ということを、ふと思い出しました。食べるとは人が本来持っている欲求を満たすための本能的な行為。本能が剥き出しになればその人となりが自然と浮き彫りになるという。
その後の彼の言動を見ていて、あの場で嘘をついたのは間違ってなかったと確信しました。結局彼とそれ以降会うことはありませんでした。

逆に、いい食べ方ができる方は人に慕われやすいのかなと思います。
私の知人の一人がそうなのですが、とにかくよく食べて、3食のみならず気がつけば何かを口にしているような人です。私がお菓子作りにハマっていた頃によくお裾分けをしたのですが、口にすると本当に幸せそうな表情になり、作った甲斐を感じたものです。
そんな知人の周囲には自然と人が集まります。


また、私が以前にいた会社では、どの人もなぜか食べるのが早かった。会社の先輩たちと一緒にお昼に行くことがよくありましたが、私はあと半分というところなのに周りは食べきって一服しているというくらいです。
どうして誰も彼もささっと食事を済ますのだろう…いま振り返ってみれば、その会社は誰もがあくせくと働いていました。常に仕事量がすさまじい職場でしたから、何事にも素早く、という社風が食事にも現れていたのだと思います。
もしかしたら、仮に私がその会社に居続けたとしても、結局は長続きしなかったのでは…今も変わらずマイペースに食事をしながら、そんなことを考えることがあります。

2012年9月17日月曜日

胃腸を整えるハーブティー

今年は残暑がとりわけ厳しい気がします。朝晩は少し過ごしやすくなってきた気がしますが、それでも9月とは思えない暑さ。来週からはようやく涼しくなると聞きますが…

この猛暑にやられてしまった方も多いかと思います。
夏バテの原因は千差万別。寝不足、冷房の当たりすぎで底冷え、冷たいものの取りすぎが主な要因と言われていますが、個人個人で状況が異なるので生活習慣を見直した上で対策を練るのが大切です。


夏に弱い私も例に漏れず。今年もずいぶん体力が落ちてしまいましたが、かかりつけの鍼灸師が言うには、私の場合は運動不足と胃の不調が夏バテの原因となっているのだそう。
何でも、体を動かさなかったのでインナーマッスルが衰え、内蔵の機能が低下している、そしてもともと胃が弱いのに冷たい水がさらに追い打ちをかけ、食べても消化し切れていない…らしいです。
なんとまあ耳の痛い話でした。

暑さと忙しさでごろごろしてしまうことが多かったのですが、このままでは体が弱る一方。というわけで、蒸し暑さの中あまり気は乗らないのですが、平日でも仕事の帰りにスポーツジムに行ったり、ジョギングしたりして少しでも運動するように心がけています。

胃の機能を整えるためにハーブティーも活用しています。今回は消化を促進するレモングラスを中心に、同じく胃を整えるペパーミントと気力をつけるローズマリーをブレンドしました。

【胃腸を整えるレモングラスのブレンド(2杯分)】
・材料
レモングラス…大さじ1弱
ペパーミント…大さじ1/2
ローズマリー…大さじ1/2
熱湯…300cc

・作り方
熱湯で3分抽出する。

2012年9月15日土曜日

完熟のゴーヤ

去年の夏から注目を浴びるようになった緑のカーテン。私も一念発起してゴーヤを育てることにしました。
最初は小さな苗から育てましたが、あっという間にぐんぐん生長し、今やベランダを覆うほどにまで大きくなりました。今年の夏も猛暑でしたが、確かに何も暑さ対策をしていなかった去年よりは過ごしやすかった気がします。

$今日の夕飯、何にしよう?
気がつけば親指ほどの可愛らしい実ができていました。小さくてもちゃんとゴーヤになっています。

$今日の夕飯、何にしよう?
さて、最初になった実を完熟させてみました。本来完熟させるのはゴーヤの体力を奪うことになるのでよろしくないのですが、ほったらかしにしていたら黄色に染まっていたのでこのまま完熟させました。

$今日の夕飯、何にしよう?
中を割るとわたが真っ赤でゼリー状になっています。外のよく食べられる部分は苦みが抜けてしまってなんだか間抜けな味になっていましたが、わたはとても濃い甘さがありました。種はナッツのような柔らかさがあり、わたと種を合わせればデザートとしていけるのかも。


確か初夏の頃だったと思うのですが、よそのゴーヤがすくすくと生長しているというのに、うちのは生長が止まってしまったことがありました。追肥をしても場所を変えても状況は良くならず。
重い腰を上げてプランターを一回り大きいものにしてみたら、これが当たりで急に伸びるようになりました。いま考えれば、ベランダを覆うほどに育つにはプランターが小さすぎたのでしょう。植物にも身の丈にふさわしい器があり、合わない器では思う存分育ちきらないのかもしれません。人もまたしかり…?


次はゴーヤ料理に挑戦です。できればチャンプルー以外で何か作りたいものですね。

2012年9月7日金曜日

本の紹介『新、料理のあとさき』


料理番組や料理本が書店に数多く並び、近年ではレシピサイトもできて、料理のレパートリーは手軽に増やせるようになりました。しかし料理にかかるまでのことや後片付けといった、料理以前の作法については知る機会がほとんどありません。
本来は家庭で学んでいくものなのかもしれませんが、学ぶ機会を逃してしまうと、必要に迫られていざ料理を始めようとなると右往左往しがちです。うっかりスーパーで買いすぎた、台所は散らかし放題、包丁にサビがついてしまった…なんてことに。

そんな調理以前のことを学ぶ機会を、との思いから昭和40年に「料理のあとさき」が出版されました。
著者は家庭料理の研究家として尽力した土井勝氏。食材の買い方から始まり、調味料や調理器具の扱い方、おもてなしのヒントまで幅広くとりあげた本書は多くの主婦に愛された名著となりました。


あれから40年近く経ち、妻の信子氏によって「新・料理のあとさき」が完成しました。
もともとの原書は文書主体で、しかもどことなくかしこまった印象があり、まさに「料理の勉強本」でしたが、新版はそんなイメージを一新。くだけた語り口で、写真が豊富に使用されており、肩の力を抜いてすらすらと読み進めることができます。
とはいえ内容がスカスカになったというわけではなく、たとえば魚のおろし方のように手順を解説するところでは写真が多く追加され、より丁寧な解説になっています。

著者が長年愛用した調理道具の美しさにも目を奪われます。年季を感じさせながらサビや焦げが全く見あたらないのです。丁寧に手入れをすればきれいなまま、とはいえ調理道具にはこびりついた汚れがつきものというのに。
我が身を振り返って襟を正したくなります。


「新・料理のあとさき」で料理の基本を身につけたら、今度は原著に挑戦するのもおすすめ。
料理以前の作法が網羅されているのはもちろんのこと、エッセイとしても楽しい内容です。今となっては古すぎる内容や、スピード重視の現代に合わないところも確かにあるのですが、時が経っても色あせない、普遍的な知恵が詰まっています。

2012年9月2日日曜日

ブルーベリー

$今日の夕飯、何にしよう?
ブルーベリーでババロアを作りました。
実はこのブルーベリー、私が自分で摘み取ったものなんです。


$今日の夕飯、何にしよう?
お盆の終わりに多古町のしんのみくうかんを訪れました。その時はちょうどブルーベリーの最盛期。一般の人でもブルーベリーの収穫体験ができます。

ブルーベリーは、同じ品種の木でも甘み、酸味が違ったものができます。しかしどのブルーベリーも同じにしか素人目には見えません。「実際に食べ比べながら気に入ったものを見つけてくださいね~」なのだそうで…
酸っぱすぎるものがあればスカスカのものもあり、苦労の末にようやく「これだ!」というのを見つけたときは嬉しかったですね。なんだか宝探しのようです。


$今日の夕飯、何にしよう?
厳選して選んだ(つもりの)ブルーベリーですが、それでも品質のばらつきが大きいので、ブドウのように1個1個食べるよりはピューレにして使えないかなと思いました。


【ブルーベリーのババロア(3個分)】
・材料
ブルーベリー…100g
牛乳…200cc
板ゼラチン…4g
卵黄…2個
グラニュー糖…40g

・作り方
1.板ゼラチンは冷水に10分ほど浸す。牛乳は鍋に入れて火にかけ、ふちがふつふつとするまで加熱する。
2.ボウルに卵黄とグラニュー糖を入れてすり合わせ、牛乳を少しずつ合わせる。再び鍋に戻し、とろみが出るまで弱火にかける。
3.火を止め、水気を絞った板ゼラチンを加えてよく混ぜる。ブルーベリーと一緒にミキサーにかけて漉す。
4.あら熱が取れたら容器に入れ、冷蔵庫で冷やし固める。

夏場の常温ではすぐに形が崩れてしまうので要注意です。


野菜ソムリエコミュニティちばのイベント報告
http://ameblo.jp/vfcommu-chiba/entry-11332964369.html

しんのみくうかん
http://www7a.biglobe.ne.jp/~shinnomi/index.html