2014年12月31日水曜日

行く雲のように、流れる水のように


「年の瀬は慌ただしくなりがちですが、おせちは計画をしっかりと立てれば、意外と時間にゆとりができます。ゆったりとした気持ちでおせちを作りながら、今年一年を振り返るのがいいんですよ。そうして一年にけじめをつけて、気持ちを新たに新年を迎えるのです」
誰が言ったかは忘れてしまいましたが、おせち料理にはその一品一品に縁起などの意味があるのはもちろんのことですが、作るという行為そのものにも大切な意味があるというのです。

私のおせちは、一人暮らしなのでそれほど量も種類も作れません。それでも出来合いの物で揃えるのは何となく気が済まない。できそうなものをできるだけ作るだけで済ませています。その点ではとてもマイペースに料理ができるので、必然的に一年のことに思いを馳せることになります。

私が料理をしながら頭をよぎった、というより頭から離れられなかったのは、つい先日に退職した仕事仲間のことでした。来年から郷里を離れ、友人のもとで居候しながら新しい仕事を始めるというのです。


私の会社は、単刀直入に言えば同族のワンマン企業です。どこかねじれている経営方針に社員は振り回され、この1年だけでも多くの従業員が離れていきました。長く残っているのは、心を失った社畜か、何も考えられないイエスマンのみです。今で言うブラック企業なのかもしれません。詳しいことはここでは省きますが、また機会があれば記したいと思います。
残業はそれほどでもないのですが、思考を停止し、会社に服従しなければ生き残れません。社会的なモラルを失い、会社に洗脳されるということは、会社から離れた後のことを考えると、長時間残業よりもある意味、たちが悪いものなのかもしれません。
異常な職場の中で、会社の奴隷になりたくないという意志を持つ者同士が集まると、否が応にも仲間意識が芽生え、結束力が強まります。その仕事仲間も同士の一人でした。

彼女は自由で、組織に染まらないタイプでした。おかしな慣例には「おかしい」とはっきり反発し、自分が快適に仕事ができるように環境を変えようとする。それは単なる自分勝手ではありません。会社のためではなく、お客さんのために働くという揺るがない意志が根底にあったためで、結局は自分の仕事を最後まで全うしました。
しかし彼女の思いはイエスマン達には届かず、不満や怒りを募らせることも多かったようで、苦しそうな表情を浮かべたことも多々ありました。たまに終業後に私と食事がてら愚痴を吐き、日頃の鬱憤を晴らしながら理不尽に耐えてきました。長い我慢が続きましたが、このたびようやく新しい職場を見つけ、晴れて新しい一歩を踏み出すことができたのです。

そんな彼女のことですから、世間一般の日本的な慣習や人生のレールにも疑念を抱いていましたが、結婚については例外で、年相応に結婚願望が強くなっていたようです。それは、周囲に結婚が相次ぎ、また親族からのプレッシャーがあったせいでもあったようで、どことなく彼女からは焦りが見えました。
そこでお見合いに近い形で、父親から男性を紹介してもらいました。その男性は性格がよく、学歴や収入などのステータスも、申し分ありません。渡りに船とはまさにこのことで、結婚すればきっと世間体にも満足がいくことでしょうけれども、彼女は男性にどうしても好意を持てなかったといいます。

世間の価値観に従うか、自分の本心を選ぶか。
「私はどうしたらいいのかわからない」
2つの価値観の葛藤で、よく彼女は混乱したかのように洩らしていました。


昨日30日、私は送別の意味を込めて彼女に会いました。おいしい食事を食べながら、話は自然と今年一年のこと、会社のこと、来年のことになります。もちろん、結婚のことにもなりました。
ひとしきり話した末に彼女は決心したようで、
「私、まだ結婚しない。本心から好きになった人が見つかるまで、しばらくは一人でいたい。世間様より自分の本心を大切にする。」
彼女はひとまず、新しい環境で今後の身のありようをじっくり考えるそうです。近いうちに一人暮らしも始めるとも言っていました。


行く雲のように、流れる水のように。昔の人が全国を旅したのは、それこそ行く雲のように、流れる水のように自由な心の境地にたどり着くためだった、という物語を聞いたことがあります。略して行雲流水。修行僧を「雲水」と呼ぶゆえんです。

彼女はこれから、各地を渡り歩きながら、自分の本心を大切にしながら、彼女自身の求めるものを見つけていくのでしょうか。それが、世間体に囚われない、自由な彼女にふさわしいと、私は思います。自由な彼女が、もっと自由になる人生の旅。「安らぎがほしい」と時折つぶやいていた彼女の安住の地はどこになるのでしょうね。もしかしたら海外なのかもしれない。


ぼんやりと考えていたらおせちができあがりました。なんだか明るい来年になりそうだなと我に返ったとき、今年にけじめをつけたような気がしました。

2014年12月20日土曜日

ハーブを効かせたフライドチキン

今住んでいるところは、年の瀬の夜になるとイルミネーションの装飾があちこちで見られます。マンションに囲まれて過ごしていた頃はぽつぽつとしかなかったのですが、家族で住む一軒家が多い土地柄なのでしょうか。いつもは静かな一帯なのですが、見えないところで賑わいがあるのでしょうね。

クリスマスは独身の私には関係のないことなのですが、かといって何もしないで一日を終わらせるのはさすがに寂しすぎる。そこで思いついて毎年やっているのが、鶏肉の料理とケーキを手作りしようということです。「今年一年ご苦労様、自分」という労いと、「やれやれ今年も一人かよ自分」という自虐と、「たまには時間に縛られず自由に料理しよう」などなど、色々な思いを一品に込めています。


さて、クリスマス直前にスーパーに出向いてもあまり良い鶏肉はないようです。あるのは冷凍ものばかり。国産の良いものはだいぶ前にレストランに売られているからなのでしょうね。そこで私は20日前後に買っておき、ハーブと塩を効かせて保存させています。


【ハーブを効かせたフライドチキン(2人分)】
・材料
鶏肉…約350g
塩…4g
好みのフレッシュハーブ数種類(オレガノ、タイム、ローズマリー、マジョラムがお勧め)…計1/4カップ
片栗粉…適量
揚げ油…適量

・作り方
1. ハーブはみじん切りにする。鶏肉は表面の水気をふき取る。
2. 鶏肉に塩とハーブをすりこむ。ジッパー付きの保存袋に入れて空気を抜き、冷蔵庫で保存する。3~4日は保存可能。
3. 2の鶏肉の表面の水気を軽くふき取り、表面に薄く片栗粉をまぶし、中温の揚げ油で揚げる。

2014年12月2日火曜日

ハーブは洗わずに使うべきか

料理用のフレッシュハーブは、無農薬栽培のものは洗わないで使いたいという意見をたまに耳にします。主にバジルに対してなのですが、しかし私は、どのハーブでも一度は水を通し、汚れを落としてから使うのが良いと思っています。

確かに、ハーブの香り成分は水溶性のものが多く、水に長時間浸すと持ち味の香りが失われてしまいます。加えて葉が湿気に弱く傷みやすい性質を持っています。ミントやルッコラはまだしも、例えばタイム、ローズマリー、セージは葉が蒸れやすく、水気は黒ずみの原因になります。中でもバジルは別格といえるほどデリケートなので丁寧に扱う料理人も多く、生産者も収穫やパック詰めには細心の注意を払っているくらいです。

しかし、やはり外で作られた作物のことですから、一見綺麗そうに見えても土埃や雨などで案外汚れいているものです。また無農薬には害虫がつきもの。アブラムシや蜘蛛、チョウなどが葉の裏に住み着いていたり、卵を産みつけていることもあります。これは露地栽培だけでなくハウス栽培でもそうで、生産者も気がつけば出荷前に虫は落とすようには心がけているとは思うのですが、完全に落としきるのを期待するのは無理と言うものです。


ハーブの香りを保つ洗い方のコツは2つあります。

・水の張ったボウルで優しくすすぐ
葉に傷をつけないためです。流水などの強い衝撃にさらすと葉に傷ができてしまい、そこから香りの成分が水に溶けて流れてしまいます。溜めた水に浸し、手で上から優しく押さえてやり、沈殿した汚れを拾わないようにそっとすくいます。

・調理する直前に洗う
水に濡れたままで放置すると葉が黒ずみ、品質も劣化します。もし洗ってしばらく使わないのであれば、表面の水気をキッチンペーパーなどで優しく取り除き、冷蔵庫で保管すると良いでしょう。


ハーブティーにするのであれば、コーヒーフィルターなどのペーパーでこせば、事前に洗わなくても汚れは取れます。カモミールやラベンダーなどの繊細な花類から香りを抽出する場合に有効です。茶こしではどれだけ目の細かいものでも取りきれない汚れがあるためで、むしろペーパーでこす方がおすすめです。

2014年11月5日水曜日

緑豆のトマトスープ

「これだ!」というトマトソースを作るのは難しいものです。試しに少し作ったのが良い仕上がりだったので、トマト缶3缶で多めに作り置きしようとしたら、何かひと味足りない、間抜けなトマトソースができてしまいました。
その日はたまたま、玉ねぎが紫だったからなのかもしれませんが、もしかすると、味を安定させるには、やはり「魔法の白い粉」が欠かせないのでしょうか…

それにしても作りすぎた。美味しいのならまだしも、失敗作なのが救えません。ここは、手を加えて別物にするしかありません。チキンスープで薄めてスープに仕立てました。

次はチリコンカンにしようかな…



【緑豆のトマトスープ(1人分)】
・材料
緑豆(戻したもの)…1/2カップ
トマトソース…1/4カップ
チキンスープ(コンソメスープでも可)…1/4カップ
塩、こしょう…適量

・作り方
(緑豆の戻し方)
緑豆はよく洗い、3倍量の水とともに鍋に入れて中火にかける。沸騰したら30分弱火にかけ、豆が柔らかくなるまで煮る。

1. 鍋に緑豆、トマトソース、チキンスープを入れて火にかける。沸騰したら塩こしょうで味を調える。好みで仕上げに粉チーズをかけても美味しい。

2014年10月27日月曜日

サンマのカレー蒲焼き

魚がおいしい季節になりました。

今年はサンマがずいぶんと安いですね。ここは定番の塩焼きといきたいところなのですが、うちには魚焼きグリルも網もないんです。最近ではフライパンや電子レンジでも焼けるそうなのですが、やり方がまずいのか何か違うものに仕上がってしまいます。しかし短い季節のためだけにわざわざ網を買うのもなんだか…
いっそのこと割り切って、塩焼きは外で食べるものと決めました。


うちではサンマを3枚におろして蒲焼きにするのが定番になっています。いつも同じ醤油味だと飽きてくるので、ほんのりカレー粉を効かせたり、トマトソースと合わせたりして変化をつけています。



【サンマのカレー蒲焼き(2人分)】
・材料
サンマ…2匹
サラダ油…大さじ1/2
小麦粉…適量
醤油…大さじ1
みりん…大さじ1/2
砂糖…大さじ1/2
カレー粉…大さじ1/2

・作り方
1. サンマは表面のウロコとぬめりを落としたら頭と内蔵を取り除き、よく洗って水気を拭き取り、3枚におろす。身に小麦粉を薄くまぶす。
2. フライパンにサラダ油を熱し、サンマを焼き色がつく程度に焼き、いったん皿に取る。
3. フライパンの油を拭き取り、醤油、みりん、砂糖、カレー粉を入れて火にかけ、少し煮詰めたらサンマを戻し、たれをからめる。

2014年10月21日火曜日

夢は美しいままで

料理にしろ自然療法にしろ何でもそうだと思いますが、もし、どうしても志したい道があるのなら、趣味の範囲にとどまらず、とりあえず仕事にしてみると技術は格段に身に付くはずです。

まず、取り組む時間が圧倒的に違います。例えば料理の場合、普通の家庭だと1日3食、逆に言えばそれだけの機会しか台所に立つことができませんが、飲食店で働くと1日に何十、何百食もの料理を提供しなければなりません。そうなると1日中、料理に取り組むことになります。
長い時間のうちに人は育てられるもので、物の善し悪しを見極める目や勘所などを養うためには経験が欠かせません。

また、仕事にすることで自分の成果に対して責任が伴います。趣味では自分や家族、知人の範囲中で終わらせればそれで十分です。しかし仕事になると不特定多数を相手にしなければならず、それも作りっぱなしではなく、満足感を与えて初めて報酬となるのです。
忌憚無き評価を受けるプレッシャーは相当なものですが、物事に真摯に向き合い、半端な作りにできないシビアな世界は、自己研鑽には欠かせません。

プロとアマとの間には埋められない何かがあると私はよく思います。それが何かと聞かれたら返答に困るのですが…安定していて安全な品質、ノイズのような違和感のなさといったところでしょうか?漠然としていてつかみ所のないものですが、その何かが圧倒的な時間と責任などから養われるのは間違いないでしょう。


しかし、あえて趣味は趣味で止めておくのも一つの考え方です。
私の知人がそうなのですが、パン作りが好きで相当の知識や経験を持っています。様々な食材を利用して自分で酵母を作るくらいに熱心なのですが、仕事にするのはためらっている様子です。知人が言うには、
「パン作りが嫌いになりそうだから」
なのだそう。

実際に本業にしている人の話を聞いたことはないのですが、パン職人のイメージというと、だいたいこんなものでしょうか…一日は朝早くから始まり、夜遅くまでひたすら立ち仕事、体力仕事。そのうえで繊細な発酵生地を扱うのですから集中力も必要。それでいてパン1個は安い。良くも悪くも。
パン職人は身も心も酷使する薄給激務というのが一般的なイメージではないでしょうか。加えて人間関係などの煩わしい側面もあるでしょう。まあ実際に中に入ってみないと見えないこともあるとは思うのですが…

知人がパン作りを、趣味を越えて仕事にするのに二の足を踏むのも、そんなパン職人の現実を重々承知しているからなのでしょう。教室で職人の生の声を聞いていれば、良い面だけでない現実も透けて見えているはずです。趣味の延長で仕事になるほど現実は甘くはありません。
果たして厳しい現実を乗り越えることができるのか。もし乗り切れなければ、そのとき、趣味は趣味でなくなるのか。


夢は、いつまでもぼんやりと美しく見ていたほうが幸せなこともあるのではないか、と私は知人の先の言葉を聞いて思うようになりました。
ありふれた自己啓発書や、自身の偉人伝を並べ立てたエッセイにあるように、人をその気にさせるような言葉を乱発して、むやみに他人を夢に向かって進めさせようとするのは避けたい。本当は私も応援したい気持ちがあるのですが、夢を掴めるのはほんの一握りという現実も承知している以上、下手なことを口に出したくはないのです。

2014年9月30日火曜日

営業活動

私の知人の何人かはフリーランスで生計を立てているのですが、自分の身一つで生きていくというのは途方もない苦労が伴うものだと、私は時に感服することがあります。そして、その苦労の大部分は営業なのではないか、と最近思うようになりました。

寄らば大樹の陰とはよく言ったもので、「この仕事は自分の実力でこなしている」と自負していても、実際は勤めている企業のブランドがあり、営業部隊が必死になってコンペで勝ち取っているから仕事にありつけていたりします。そして、いざ大樹から離れて初めてその自惚れに気づき、自分の営業力の無さに打ちひしがれながら望まないバイトでなんとか食いつなぐ、そんな人たちを私は何人も見てきたような気がします。
仕事は待っていても来ないもの。ある元営業マンは「飛び込みをガンガンやるしかないんだよ!」と口癖のように言っていましたが、正直、私には無理だなと少し引き気味に話を聞いていました。


スピリチュアル系の活動を生業にしている知人がいます。仕事の内容が内容なだけに、必然的にフリーランスの身の上、しかも独身なので家計の支えが無い。もともとは会社に勤めながらの副業だったのですが、本業にしようとした途端に、食べるものにも困るほど生活が窮するようになったと言います。となると、飛び込みでも何でもいいから営業をかけて、自分を売り込み、仕事を得るしかありません。食い扶持をつなげるためには、なりふり構ってはいられません。

会社を退職してからというもの、知人は随分と変わってしまったように見えました。久しぶりにお茶をして話をしていても、どうしても「仕事がほしい」という欲求がちらついてしまってます。かといって、こちら側も付き合いでお金を払うのにも限界があるので、曖昧な反応でお茶をにごすしかないのが苦しいところです。
彼女のブログも、以前は独自の目線で物事を深く掘り下げた内容が多く、読みごたえがあったものでしたが、最近では「今日はどこそこの誰かとエネルギーワークでした!」とか「尊敬する○○さんのセミナーにようやく参加。感動しました!」という感じで、要は、方々に出向いた以上、という表面的な記事ばかりになってしまい、なんだか端から見れば面白味がない。

横のつながりアピールは、まあリンクを増やして検索エンジン対策がどうのこうの…というわけで意図してやっている節があります。きっとイベントに参加してはここぞと名刺をバラ蒔いているんだろうと想像がつきます。
「一人で生きていくというのは、そういうことだ」と言われてしまえばそれまでですが、彼女からは必死という雰囲気が漂い、なんだか切なくなります。


大樹に寄ってきただけの私には、知人の営業活動をただ眺めるだけでもうお腹いっぱいの気分になり、「やはり自分にはフリーは無理だ」と諦める決心をつけてしまいました。


本当は元の知人に戻ってほしいのですけれども…

2014年9月10日水曜日

緑豆のカレー


おとといの2014年9月8日は二十四節気の白露にあたります。
露ができるほどに冷えてくる時季という意味がありますが、朝夕はともかく日中はまだ残暑が厳しいもの。夏の間に消耗した体力を取り戻すのはまだ先の話、今は無理をせず静養を心がけたいものです。


晩夏になると私はお酢のものやいわゆる「暑気払い」と呼ばれる冬瓜など、身体に優しいものを意識して食べるようにしています。その中でも今回は緑豆(ムング豆)を使ったシンプルなカレーを作りました。

インドカレーの本を見ると、必ずといって良いほど豆のカレーが紹介されています。しかも緑豆だけでなくレンズ豆、ヒヨコ豆など種類が豊富で味付けも多彩。菜食主義が中心で厳しい気候のインドでは、豆は貴重なタンパク源であるとともに、身体を養うための役割を果たしてきたのだろうと私は思います。


中国やインドでは緑豆は火照った体を冷まし、疲労した時に積極的に食べるものとされてきたそうです。またタンパク質や鉄分も豊富、お腹に優しいと、まさに至れり尽くせり。私は暑い時季に入ると大量に作っておいて、毎朝少しずつ食べています。


【緑豆のカレー(4人分)】
・材料
緑豆…1.5カップ
タマネギ…中1個
しょうが…1かけ
トマト…中1個
サラダ油…大さじ1
カレー粉…小さじ2
コリアンダーの葉…適量
青唐辛子(ししとう)…適量

・作り方
1. 緑豆は汚れがなくなるまでよく洗い、水3カップとともに鍋に入れて30分火にかけ、柔らかくなるまで煮る。
2. タマネギはみじん切りに、トマトは角切りにする。しょうがはすりおろす。コリアンダーの葉は手でちぎる。青唐辛子は小口切りにする。
3. フライパンにサラダ油を入れて中火で熱し、タマネギを入れる。タマネギが透きとおるくらいに火が通ればトマトを入れ、トマトの形が崩れるくらいになるまで炒める。
4. カレー粉を入れて1~2分火を通したら1の緑豆をゆで汁ごと入れ、弱火で5分程度煮込む。
5. 皿に盛り、好みでコリアンダーの葉、青唐辛子を添える。

2014年9月4日木曜日

みんなで食べれば怖くない 『禁断のレシピ』


今までにない料理本が出ました。どことなく毒々しい赤紫の表紙、妖しくテカテカ光るシロップ状の何か、「怒濤の106040kcal」の文字。
そして極めつけは、著者が枝元なほみさんと多賀正子さん。

本書はタイトルの通り、肉、炭水化物、脂を惜しげもなく使いまくったレシピが満載です。例えば、
 牛塊肉1kgをまるごと揚げた「ローストビーフ」
 にんにく1粒を1個1個丁寧に包み込んだ「スタミナギョーザ」
 食べきれないほど、嫌と言うほど甘いもの食べ放題「でっかティラミス」

塊の肉をまるごと使って料理したい、明日のことは考えずに好きなものを食べたい、いつもはこぢんまりと飾られたケーキを思う存分食べられたら…
いかにも体に悪そうだけれども、誰もが1度は思った欲望を満足させる、これらはまさに禁断のレシピ。

多賀正子さんは過去にも似たようなレシピを出版社に打診したそうなのですが、「さすがにそれはちょっと…」と止められていたのだとか。
その秘伝の料理を惜しげもなく公開した2人。会話も弾み、本当に楽しそうです。

「(カツサンドのカツに)薄切りの豚肉を使うと、衣たっぷりでカリッとした食感になるし、ソースが肉の中心までドボドボッてしみ込んで、豚カツよりしっかり味が入るんですよ」
「だって、マッシュポテトって飲み物みたいなものでしょう?」(と言いつつ大量のバター、マヨネーズ、生クリームを…)
(『禁断のレシピ』の禁断の裏話より)


もちろん、ウン千キロカロリーの禁断の料理たちを一人で食べろとは言いません。枝元なほみさんはパーティ料理にぜひと言います。
みんなで食べれば怖くない…?


この本を紹介しておいて何ですが、私の食事はというと、普段は野菜中心でして、本書とは真逆の食生活を送っています。それどころか歳のせいか肉や揚げ物類はもう量を食べられなくなってしまい、正直なところ、料理の写真を見るだけで胃がずーんと重くなるくらいです。しかし…

気心の知れた友人たちと「今夜は弾けようぜ」とか言って、ジャンキーな食べ物をがんがん食べながら、夢や愚痴、良いことも悪いことも含めてワイワイ語り合う。そして翌朝、重い胃袋を抱えながら気だるそうに、しかし変な充実感に満たされながらそれぞれの帰路につく…なんて、まるで青春の1ページにある光景みたいで、私はちょっと憧れを抱いてしまいます。

2014年8月16日土曜日

夏のカレー



もう「日本は亜熱帯!」と言い切ってもいいに違いない…

夏真っ盛り。日々の食事の下ごしらえは朝のうちに終わらせるようにしました。ひとまず野菜を切っておいて、だしを引いておけば、後はなんとかなるだろう…
もう、真っ昼間や暑さでクタクタになった夕方に、しっかりと料理する気力が湧かないんですよ。それで特に休みの日はそうめんで軽く済ませてしまうことも度々ありました。しかし食べ物が適当になると夏バテが更に進む悪循環に陥ってしまいます。


数年前の夏、連日のように猛暑日が続いたことがありました。夜も寝苦しく、休みはゴロゴロするばかり。もちろん食べるものも雑になってきたら、明らかに体重が落ち、参ってしまいました。
誰からも「痩せた?」と心配されていたのですが、その中でヨガの先生のアドバイスは
「カレーがいいですよ。食べなさい」

嬉しいアドバイスでしたが、いざやってみようとすると、タマネギを炒めるのが最大のハードルでした。10分近く延々と火の前に立つことになるのです。身体をつくるためにカレーを作っているのに、それで消耗してしまっては元も子もない…

そこで涼しい朝のうちに大量のタマネギを炒めて、冷凍しておくことを思い立ちました。休日にとりあえず炒めタマネギさえ作っておけば、あとはスパイスを入れて軽く炒めるだけ。忙しい平日でも手早くさっと作れて重宝します。

炒めたまねぎを使わない豆のカレーがあることも知りました。
戻した緑豆にヨーグルトとスパイス、塩を加えただけの本当にシンプルなものですが、あっさりとしていて、疲れた体に染み入ります。誰が言ったか、「豆のカレーは癒し系」とは正にその通りでした。


それにしても、インドは日本より遙かに暑いはずなのに、料理は火をガンガンに使うというのは不思議なものです。料理本でお母さんらしき人が燃え盛るかまどの前に立って鍋を振っていたり、半裸のおじさんが釜の隣でタンドリーチキンの仕込みをしている光景が写真に収められていることがあります。私は見る度に感服してしまうのですが、もしかしたらインド人は火を神聖なものとして扱うと耳にしたことがあります。インド人にとって台所に立つことは、意外と苦にならないのかもしれませんね。

2014年7月29日火曜日

大切だった資格

東京の友人から1年近くぶりにメールがあったかと思えば、
「仕事辞めます」
という連絡で驚きました。

友人は3年前に職業訓練で知り合いました。デザイナー志望だった友人は訓練が終わった後も、派遣の仕事をしながら専門の学校に通うという忙しい日々を過ごし、念願叶ってデザイナー見習いの仕事に就いてからも朝から終電まで猛烈に働いていました。
夢を追うとはこういうことか、と友人の話を聞く度に感心したものでした。

その、苦労と努力を重ねた3年間をチャラにする決断をした。
その踏ん切りには相当な勇気が必要だったはずです。
普通の人なら、これまでに積み重ねてきたものを捨てて、そして今後何もない状態でどう生きていこうかと悩むと、人生をリセットするようなことは、そう簡単にできることではありません。
しかし、自分で大切に思っている経験、知識というものは、実は客観的には価値のないものかもしれない、と疑問に思うこともあります。


手に石を持ったまま、湖を泳いで渡ろうとする女性の話だ。湖の中央あたりまで来ると、女性は石の重みで沈み始める。岸で見ている人たちは石を手放すように熱心にすすめる。それでも女性はそのまま泳ぎ続け、さらに沈んでいく。岸にいる人たちから見れば解決策ははっきりしている。だれもが「石を放せ」と叫ぶが、女性は沈むばかりだ。結局どれだけ大声で叫んでも無駄だった。水のなかへ消えながら女性はこう言った。「手放すなんてできない。これは私のものだ」
(『ハーバード流キャリア・チェンジ術』ハーミニア・イバーラ著より)


ひるがえって自分の半生はどうだったか。今まで気の向くままだったり、仕事上やむなくといった理由で、様々な勉強をして、資格もそれなりに揃えてきました。中には高い授業料を払ったものもあります。
しかし、それらの資格が今になっても生きているのだろうか?と聞かれると疑問に思います。むしろ、一部の資格には年会費がかかり、重荷になっている気がします。金銭的なことだけでなく、「資格を生かさなきゃ」という変な決めつけが自分を束縛している面も、恥ずかしいことですが否定できません。
それでも資格を手放していないのは、これまでの苦労のせいか、それとも費やした時間やお金を思ってなのか。

私もいずれ、自分の抱えている様々な石をきれいさっぱり捨てるのだろう、と思いながら、先陣を切って人生をリセットする決断をした友人に感服したものでした。

2014年7月22日火曜日

もずくとろろにゅうめん

レシピブログの「和膳レシピコンテスト」参加中です。

サントリーから新発売された生ビールの和膳。生ビールなのですが、さっぱりとした後味が他のビールにはない最大の魅力。ゆったりと飲むのにぴったりです。

繊細な和膳には優しい美味しさの和食が合うでしょう。私は夏の終わりに、暖かいものが少し食べたくなった頃を思い出して、にゅうめんを合わせました。



【もずくとろろにゅうめん(2人分)】
・材料
そうめん…2束
もずく…20g
長芋…1/4本
つゆ
|だし汁…400cc
|薄口醤油…小さじ2
|塩…小さじ1/2弱(そうめんの塩分を見ながら加減)

・作り方
1. つゆの材料はあらかじめ合わせ、温めておく。もずくは水で洗い、水気を切る。長芋はすり鉢などでおろし、とろろにする。
2. そうめんをゆで時間のとおりに茹でる。茹でたら冷水でよく洗い、水気を切ったら1のもずくと混ぜる。
3. 2のそうめんを器に盛り、つゆをかけ、とろろを盛る。



ビールに合う簡単和食料理レシピ
ビールに合う簡単和食料理レシピ

2014年7月5日土曜日

何か一つのことに健康を頼る

世の中には様々な効能のある水があるようです。
御神水のようなものを私は最初想像していたのですが、「血圧を下げる」とか「老化を遅らせる」とか、実際に効能のあるものばかりだそうで、ふつうの水道水と何が違うのでしょうね。成分が違うのか、私は興味をそそられます。
名水と名高いものになると、県外からでも汲みに来る人が居るそうです。

私の知人もその一人で、休みになるとドライブがてら「血圧を下げる」ことで知られる名水を何本ものタンクに汲み、飲み水はもちろん、お米を炊くのもその水で、水道水は飲料用には使わないのだそうです。

知人は数年前の健康診断で高血圧がわかり、それが相当ひどいレベルだったのか、わらにもすがる思いで色々な健康食品に手を出し、実際に効果があったと行き着いた先が水なのだといいます。

私は、さもありなんと食事をしながら話を聞いていたのですが、よくよく見ていると知人は「味が薄い」と、味のついたおかずに醤油をかけている…違和感を覚えながら、別の話に移ると、

『一人暮らしでお弁当は大変でしょう。どうしてるんですか?』
「近所のスーパーでタイムセールの総菜を詰めています。自分では作らないですね」
『よく買うものはあるんですか?』
「揚げ物が半額近くなっているのでよく買ってますね。おにぎりも1個50円くらいだし。自分でへたに作るよりも安上がりかもしれないですよ」

塩のかかったおにぎりに、味付けの濃い総菜をおかずにしていたら、そりゃ高血圧になるのも無理もない…突っ込みが喉元まで出かかりましたが、知人の耳には届きそうになかったので諦めました。知人は、水を頼りにしすぎているようにしか、私には見えなかったからです。

しかし、健康は「これさえあれば」で手に入るものではないと、私は思っています。何か一つのことに健康を頼るのではなく、あくまでもバランスの取れた食事を心がけるのが健康の基本です。

2014年6月28日土曜日

食欲が落ちたら飲みたいハーブティー

デスクワークから外の仕事に転身して初めての梅雨を迎えました。
予想はしていましたけれども、やっぱり猛暑の肉体労働は体にこたえますね。それでも虫よけに長袖で作業をしているので尚更のこと。
ある日、知り合いに「痩せた?」と言われて体重を計ってみたら春の頃より1割近く減っていて自分でも驚きました。
体力が落ちていた自覚はありました。疲れやすくなったし、ふらつきもあって、これは何とかしないとと思っていた矢先でしたが、今の時点でまさかここまでなんて…デスクワークをしていた頃には気づきもしませんでしたが、外での仕事は季節に体を適応させなければならないことを痛感しました。相撲取りの「食べるのも立派な稽古」に習って、私もしっかり食べるように心がけるようになりました。


今年の梅雨は晴天が続いていますが、じめじめとした蒸し暑さはいつもと相変わらず。このような時期には食欲が落ちてしまい、どうしてもさっぱりしたものや、軽いものを口にしたくなります。

むしろ来る季節に備えて体を準備させると言いますか。
梅雨に入ると胃腸が弱るので、食欲が落ちるのも無理はありませんが、ここは盛夏に向けて積極的に食べておきたいところ。夏バテ知らずの体を作っておきましょう。

ハーブティーでは消化を促すハーブを使うと良いでしょう。レモングラスとミントが代表的です。

【食後に飲みたいハーブティー(2杯分)】
・材料
レモングラス(ドライ)…大さじ1
ペパーミント(ドライ)…大さじ1
熱湯…300cc

・作り方
ハーブをティーポットに入れ、熱湯を注いだら蓋をして3分蒸らす。

2014年6月19日木曜日

低血圧の朝に

朝、起きるのがつらい、午前中は元気がない、立ちくらみがする…低血圧の代表的な症状ですが、診察を受け付けてくれる医者は意外といないものです。

低血圧は病気…なのでしょうかね?なんだか病気と思われていない節を折に触れて感じるのですが、それだけにどこにも対処してもらえず、苦しいのに助けを求められない辛さがあります。


医師や市販薬で頼りにならないのならば、血行を良くするハーブを試してみましょう。
代表的なハーブはローズマリーです。はっきり、すっきりとした香りからわかるように血行促進、強壮の働きがあり、ぼんやりとした頭に活を入れたいときにぜひおすすめしたいハーブです。

それなら、朝イチにローズマリーのハーブティーをいれられるのかというと、正直、寝起きの低血圧にはつらいものがあります。ただでさえ布団から出るのにも一苦労というのに…
そこで、ハーブティーを簡略化して手軽にとってみましょう。


やり方は簡単で、カップにフレッシュのローズマリーを1/3本くらい入れて、熱湯を注ぐだけ。ほどよく冷めて、ほんのりお湯が色づいたらいただきます。
白湯にローズマリーを単に加えただけのシンプルなものですが、それでも毎日続けられそうな手軽さが魅力です。
ドライのローズマリーだと口の中に入るとモソモソしてしまいますし、薬品に近い香りがちょっと強烈すぎます。

形式にとらわれず、もっと気軽にハーブを生活に取り入れられたらと思います。

2014年5月31日土曜日

コーヒーの幸せ

ネット通販でコーヒーを頼んだら、「初めての方限定 お試しセット」が格安で購入できました。しかしいくらお得といっても、コーヒー豆が400グラムもついてくる。一人暮らしの私には毎朝1杯飲んでも、1ヶ月以上経たないと使い切れません。しかしコーヒーは豆でも鮮度の落ちは早いもの。どうせだめにするくらいなら、と思ってコーヒー好きの知人にお裾分けをすることにしました。

その知人は朝も昼休みもコーヒーを飲むほどなのですが、今までインスタントか粉で買っていたといいます。ものは試しにと、豆と一緒にコーヒーミルも渡して、挽き立てをやってみたらと勧めたら、翌朝すごく喜ばれて、
「コーヒーの匂いが部屋中に広がってびっくりしました!いれている間もプクプクと粉が膨らんで、その間も香りがすごいんですね。」
と、たいへん感激した様子でした。知人はこれからコーヒーを豆で買うことにしたそうなので、ミルをしばらく預けることにしました。


良いコーヒーは、豆をミルで挽いているうちからほんのりと香りが立ち、ゆっくりとドリップすることで豆が生きているかのように膨らみ、コーヒーの香りが一斉に広がるものです。
そしてその挽きたていれたてのコーヒーと、クロワッサンかフレンチトーストで軽く朝食にするのが、何も予定のない休日のお決まりになっています。

「静かな日曜日の朝 食卓に珈琲の匂い流れ」

たまの休日だからこそ許される、小さな幸せです。
我ながら、ささやかな幸せだと思います。しかし、そんな些細なものでも、積み重ねたら多少の苦難をものともしない力になるだろうと、私は思っています。

どうやら人は、人生の中でどうしても何度かは、苦境の中に一人放り込まれてしまうことがあるらしい。今まで関係を保ってきた友人、家族の助けも借りられず、相談したくてもできないという。もっとも、最近はSNSがあるので孤独を紛らわせなくはないのですが。

孤立無援。そんな中で自棄に走らないためには、身の回りで幸せを探すより他にありません。1杯のコーヒーをいれる、そんな些細な事にしても、幸せを感じられる感受性を保っていたいと、私は常日頃から思っています。

2014年5月17日土曜日

魚介類を始めとした食材の宝庫 清水町 食遊市場

静岡県の東の端、伊豆半島の付け根は、沼津港や熱海港に囲まれているのでさぞかし海の幸が豊富だろう、と引っ越す前は思っていたのですが、近所のスーパーにはあまり良い鮮魚がなく、魚を食べる機会がめっきり減ってしまいました。
近場でよく見かけるのは全国大手チェーン系のスーパーなのですが、そこで扱う魚は静岡県産のものをほとんど見かけません。食材を全国から取り寄せているのは、まあ見方によっては安定供給なんでしょうけれども、それにしても私にはどうも鮮度が落ちてしまっているように見えます。目の色とかウロコとかだけでなく、どうもうまく説明できないのですが…なんだか色つやが淀んでしまっている感じがあります。それでいて強気の値段設定なのが不思議なものです。
地域の、少し高級感ある某スーパーのはさすがに鮮度抜群ですが、値段設定も高級なので普段使いには二の足を踏んでしまいます。

もしかすると沼津や熱海で打ち上げられた魚はスーパーに出回らず、そのまま外食店に行ってしまっているのかもしれません。
海は近いのに魚は遠い。


野菜は、農業が盛んな地域なので安くて良い直売所があるので良し、肉も比較的安い地元スーパーを見つけたので大丈夫。しかし、たまには魚を食べたくもなります。


で、地元の知り合いから教わったのが清水町の食遊市場。一般客歓迎の卸売り市場です。ここは正真正銘、沼津からの魚が手に入ります。特に沼津の代名詞とも言える干物類の豊富さには目を見張ります。
魚だけでなく業務用の調味料類が揃っているのもうれしい限り。珍しい食材を探す楽しさもあって、つい衝動買いをしてしまいます。

ただ、もともとが卸売り市場なので、どれも箱買い凄い量で売っていて一人暮らしの身にはつらいところです。アジの箱買いが驚くほど安くなる魅力に、つい買ってしまいたい衝動に駆られるのですが、1度に10匹買ったところで持て余してしまいそうです。

一人暮らしの仲間を誘って、共同買いするのが良いのかも?

食遊市場:http://www.numazu-oc.or.jp/shokuyu/index.html

2014年4月26日土曜日

伝統と創造の和三盆 徳島県 岡田製糖所


砂糖の一種である「和三盆」は徳島、香川の名産品として知られ、高級和菓子の材料として用いられています。優しい甘さでありながら、口どけが良いので後味はすっきり。
果物にかけたり、お汁粉に加える使い方はもちろんのこと、お茶請けとして塊を数個、和紙にそのまま盛っても様になります。

特に徳島県の岡田製糖所は創業して以来、変わらない伝統的な工程を守りながら和三盆を製作しています。

その甘味の幽玄さ、舌にとけ入る淡雪か真清水の岩間を滴るる如く、凛々として尽きぬ甘味、誠に阿波三盆糖は茶人の糧であり、甘さの三昧境にある好嗜者のみの知る秘境である。
(岡田精糖所 製品紹介文より引用)

私は徳島に帰省すると、必ず500g程度の大袋で買います。先のようにお茶請けとしていただくのはもちろんですが、ロールケーキやパウンドケーキ、メレンゲ菓子のように素材そのものをシンプルに調理するお菓子や、フレンチトーストやドーナツにまぶすのも美味しいもの。
また徳島県内には和三盆をふんだんに用いたスイーツを看板商品としたカフェ、土産店が点在しており、これがまた美味しい。例えば徳島市の商店街にあるチュロス専門店「chuchu churros cafe(チュチュ チュロスカフェ)」もその一つで、もっちり、飽きのこない美味しさの米粉チュロスに、和三盆の穏やかな甘さが良く合います。私も帰省すると必ず一度はお邪魔しています。


徳島のお土産としては、私はダントツに和三盆をお勧めしたいところなのですが、実際に勤め先に配るとなると難儀していました。粒を小分けして配る手間もあるのですが、最高級とはいえ、何しろお砂糖ですから…地味に映ってしまいます。
まあコーヒーや紅茶好きの知人には受けが凄く良いのですが…


ところが、最近になって老舗和菓子店とコラボして「鳴門っ娘」という商品が新発売していました。
原材料は、さつまいも、和三盆、紫芋粉の3つのみの潔さ。同じ徳島県の名産である鳴門金時をモチーフにしており、さつまいもと和三盆の優しい甘味が合わさった絶品です。その味は観光庁にも認められ、「世界にも通用する究極のお土産」に認定されています。
1個百数十円で販売しており、お土産にぴったりのサイズなのもうれしい限り。

これを機に阿波の和三盆が、より広く認知されることを祈るばかりです。


岡田製糖所:http://www.wasanbon.co.jp/
岡田糖源郷:http://tabelog.com/tokushima/A3601/A360101/36004369/
和庵 鳳月坊:http://hohgetsubo.jp/index.html

2014年4月15日火曜日

心が不安定なときのハーブ  パッションフラワー


早春、植物が活発に活動する時期は「木の芽時」という別名があります。寒さで生命活動が停滞する冬を乗り越え、まるで待ちわびたかのように生長する緑の姿はとても美しいもの。お店にも鮮やかな緑の野菜が並び始める頃合いです。

しかし、木の芽時というものは、人間には案外優しくない季節なのではないでしょうか。朝晩の寒暖差が激しく、それだけでなく卒業や就職など身の周りも大きく変わる。気がつけば心身ともに疲労が蓄積してしまいやすいものです。

昔から「五月病」という言葉がありました。4月から新しい環境に身を置き、一所懸命に頑張ってきたものの、息切れしてしまったり、ふと我が身を振り返る機会があるのが、ちょうど2ヶ月目なのでしょう。


この時期は神経をゆるめ、心身の緊張をほぐすように心がけましょう。
ハーブティーではパッションフラワーがおすすめです。

パッションフラワーは「キリストの愛」という意味があります。知ってか知らずか、その名前のとおり自律神経を整えるハーブとして知られ、精神的な緊張や偏頭痛などを抑えられると親しまれてきました。

ストレートのティーは青臭く、苦みがあり好みが分かれます。カモミールやリンデンなどのリラックス系ハーブに少しブレンドすると良いでしょう。


アルコールでパッションフラワーの成分を抽出し、チンキ材にするのもおすすめです。

心がざわつきやすいと思われるのでしたら常備しておくと安心です。不安にかられて眠れないときなど、白湯に1、2滴混ぜていただいてみましょう。


■パッションフラワーのチンキ(できあがり約100cc)
・材料
パッションフラワー(ドライのもの)…15g
ウォッカ…150cc弱

・作り方
清潔な瓶に材料を全て入れ、冷暗所に2週間置いたらコーヒーフィルターなどで漉す。1年ほど保存が効く。

2014年4月8日火曜日

ローズマリー・リキュール

春先になると、さまざまな植物が花を咲かせます。もちろんハーブも例にもれず、セージ、タイム、ローズマリーなどが可愛らしい花を見せます。
うちで育てているローズマリーも花が咲きました。ほのかな藍色が見える、白い花です。


花を食べてみるとローズマリー特有のスッキリとした風味があります。むしろ葉の部分より香りが強いのかも、と思うほどです。しかし、そのぶん葉や枝の部分の香りが弱まってしまいました。
どうやら植物にとって、花を咲かせるということは相当なエネルギーを要することのようです。菜の花が良い例ですが、葉物の野菜は硬くなってしまうか風味が落ち、食用に耐えられなくなります。
ローズマリーの場合は、葉や枝にある香りが花に集まるのです。

ローズマリーが全身全霊を込めて作り上げた花をどう活かすか。
料理にも使えなくはないのですが、食べるのは一瞬のことで、なんだか惜しい。このパワーを余すところなくいただくには、リキュールにするのが良いでしょう。


【ローズマリー・リキュール】
・材料
ローズマリー…適量
ウォッカ、ホワイトリカーなどの蒸留酒…適量

・作り方
清潔な瓶に材料の全てを入れ、1~2週間漬け込む。


度数が強く、混じり気の少ない蒸留酒に漬け込むことで、ハーブの有効成分を抽出しやすくなります。
もともとローズマリーは弱った身体に活を与える効能がありますが、春先の生長しようとするエネルギーも加われば効果はてきめん。まさに滋養にあふれた薬用酒のような仕上がりになります。


お酒はワインでも代用でき、飲みやすくなります。作り方はこちら

2014年4月1日火曜日

花粉症とエルダーフラワー


花粉の飛び交う時期になりました。ひどい花粉症持ちの知人は、2月の始めから症状が出ていて寝込むほどでした。普段より花粉の出が早いようです。環境の急な変化にさらされると植物は種を守るために花を咲かせようとする、と聞いたことがありますが、今年の大雪や気温の激しい変動が花粉を早くから出している一因なのかもしれません。

ハーブの花粉症対策で知られているのはドイツの春季療法です。
これは冬の終わりからネトルのハーブティーを毎日飲み続けるというもの。寒い冬から春を迎えると代謝が活発になる、すると吹き出物やアレルギーなど肌のトラブルに襲われることが多いのですが、これらを予防すると言われて親しまれてきました。手軽な民間療法です。


春季療法はゆっくりと体質改善を図りますが、もし間に合わずに鼻水、くしゃみ、せきなどの症状が出てしまったら、エルダーフラワーを使ってみましょう。エルダーフラワーのハーブティーは身体を温め、風邪や鼻水などを和らげるためのハーブとして親しまれてきました。冬から春の時期に持っておくと良いでしょう。

イギリスではエルダーフラワーのコーディアルという飲み物が親しまれています。エルダーフラワーをシロップ漬けにした甘い飲み物で、お湯などで割っていただきます。ハーブティーより手軽に飲めますし、小さな子供でも親しめるのが嬉しいもの。なかなか見かけませんが、輸入食品店やアロマ、ハーブの雑貨店で購入することができますので、機会があれば試してみてはいかがでしょうか。

2014年3月22日土曜日

照顧脚下

海外では、紀元前の昔から独自の医学が発展し、植物を薬のように積極的に活用してきました。中国の陰陽五行説、インドのアーユルヴェーダ、古代ギリシアの体液病理説などが代表的な思想です。これらの考え方に基づいてハーブやスパイス、漢方を適切に処方するのが古代の医学でした。今でいう自然療法でもあります。

日本での自然療法の立ち位置はどうでしょう?例えば中国より伝わった漢方は古くから用いられ、今では「和漢方」という医療の一分野としてみなされるようにまでなりました。しかし、もともとハーブやスパイスといった植物を活かし、健康維持をはかる文化がなかったように思えます。一見すると。

しかし、海外のように様々な薬草を駆使することはないにしても、しそ、しょうが、ねぎなどの薬味はあります。これらは禅宗の文化の影響から、普段の食卓には並びませんでしたが、名前の通りまさに薬として用いられてきました。

ハーブやスパイスをたしなんでいると、つい見落としがちなのですが、日本でも親しまれている植物療法は確かにあるはずです。
ただ見えていないだけで。

しその葉は、中国から入ってつい近年までは、薬草として用いられていた。
たとえば、しそ酒がそうである。また、しその葉を乾燥させて、おろししょうがと煎じるのだ。…ちょっとした、風邪などテキメンに効く。

いつのころからか、ハーブ、ハーブと西洋ものを喜んでいる一部人間がいる。マニアの一人に、
「しその葉も使いますか?」
訊いたことがある。すると、
「あんなもの」
言うてござったが、恐れ入ったことである。

「照顧脚下(しょうこきゃっか)」
脚下に珍重すべきものが、ふんだんにあるのにと惜しむ。
『禅寺の精進料理十二ヶ月』藤井宗哲著より)

「照顧脚下」とは「足元をよく見よ」という禅宗の言葉です。
この言葉は、どのようにも捉えることができますが、いずれにしても耳の痛い話です。曲がりなりにもハーバルセラピストを名乗っている手前ですが、様々な知識を蓄えているうちに、ともすると妙にテンションが上がってしまい、西洋から来たハーブの植物療法が万能であるかのように錯覚してしまいそうになることも、しばしばあります。

しかし、先のとおり日本には薬味がある。「冬至にはゆず湯、かぼちゃ」「柿が赤くなると医者が青くなる」といった養生訓もある。
日本古来から脈々と受け継がれてきた生活の知恵というのは、本来、日本の風土や日本人の体質に合ったものであるはずです。それらを活かさないのはもったいない。
目の前の知識に溺れてしまい、ついうっかり忘れてしまいがちですが、足元の知恵もまた大切にしていきたいと、私は思っています。

2014年3月15日土曜日

アロマと認知症?

各地のアロマショップで製油が品切れしていると聞きました。何でもテレビの情報番組で「アロマテラピーが認知症に効果あり」という内容の特集があったそうで、レモン、ローズマリーなどのエッセンシャルオイルを求める方が急増したのだとか。

私はこの番組を見ていないので、その趣旨はわからないのですが、認知症対策にアロマテラピーを使う理由は2つあるのかなと思いました。

1つは、アロマテラピーの中でも、頭や気分をリフレッシュする効果を素直に使うこと。嗅覚は、脳の中でも記憶や本能、情緒を司る部分、大脳辺縁系に働きかけることが明らかになっています。そこで、ローズマリー、レモングラス、ペパーミント、ヒノキなどのすっきりとした香りを用いることで記憶や情緒面を活性化させ、認知症の予防に効果的なのではないかと考えられます。


こういう考え方もあります。
アロマテラピーをたしなんでいると、身の周りの香りに敏感になってきます。道ばたの草花の香りにふと気がついたり、満員電車のごちゃごちゃとした匂いがうっとうしく思うようになったりしてきます。
嗅覚が研ぎ澄まされることで、実はいたるところに香りがあったことに気づきます。それは五感の一つに刺激を与えること。結果として心も体もいつまでも若々しく保つことができるのではないでしょうか。

いずれにしても、脳に良い刺激を常に与え続けることで、脳の機能が衰えるのを防ぐことができるのでしょう。

2014年2月15日土曜日

鍋物

平日の夕飯は鍋物中心です。寒い季節に暖かい物が欲しいというのはもちろんあるのですが、それよりもむしろ、仕事帰りに、しゃれた料理をこしらえるエネルギーなんてありませんから、手早く仕上がる鍋物が重宝しています。

鍋の準備をする合間にお風呂の湯を沸かし、鍋の中身が落ち着いたら保温調理鍋に入れて、で、お風呂に入ってあがったら鍋の材料に火が通っている。あとはご飯をよそいながら春菊や青菜を鍋に加えていただきます。

「まるで関取みたいだ」と知人にからかわれましたが、いやいや、あのちゃんこ鍋の文化は必然的に生まれたのではないか、と私は思っています。

常日頃から稽古三昧、肉体的にも精神的にもギリギリの状態に置かれる力士は、それでも食べないわけにはいかない。料理をしなければならない。それなら手早く仕上がる鍋がぴったりだ、というわけで必然的にちゃんこ鍋の文化ができあがったのではないかしら。もちろんそれだけではなく、食材に完全に火を通せる、皆で鍋を囲んで絆を深めるという意味もあるはずです。

とりあえず材料を切って、だしと一緒に鍋に放り込んで火にかけるだけ。それでいて栄養バランスもとれている。改めて考えると何とも手軽で、合理的な調理方法だと思います。


慌ただしい日々が続いていますが、それでもなんとか食事はきっちり摂りたいと、私は思っています。心身ともに酷使した上で、食べるものを適当に済ましていると、消耗する一方になってしまう。
少し前、「フリーターで給料少ないけど、掛け持ちして頑張ってマンション買いました!」という人に会いましたが、食事は1個50円のおにぎりを2つだけ。年齢よりも老けて見え、顔色もどことなく悪いので、その人の体調が心配になりました。マンションの元手を取り戻す前にダウンしてしまうことのないように…

2014年2月11日火曜日

白菜の即席漬け

今年も白菜の漬け物の時期になりました。いつも1株くらい漬けて夕飯の一皿にしています。大量に漬けても意外と減りは早いので一人暮らしですが1週間もあれば食べ切れてしまいます。

…が、今年はどうもうまく作れません。水があがりにくいですし、特に1月の下旬からは、本漬けから2日くらいでもう酸味や発酵臭が出るようになりました。サラダと漬け物の中間くらいの出来になるはずで、これがまたおいしいものなのですが…

たぶん、冬というのに暖かい日々が続き、発酵が早くなりすぎているのでしょう。1月末の時点で最高気温が15度を超えるというのはさすがにおかしい。過ごしやすいとはいえ、季節の味を楽しみにくくなりそうで心配です。漬け物を冷蔵庫に移したこともありますが、大量に作る漬け物屋さんはどうしているのでしょう…

こんな時は手軽な即席漬けで代用しましょう。冷蔵庫で保存するので温度変化の影響をそれほど受けず、比較的安心していただけます。



■白菜の即席漬け
・材料
白菜…適量
塩…白菜の重量の3%
昆布…適量
唐辛子(ホール)…適量

・作り方
1. 白菜はよく洗い、一口大に切る。水気はざっと切るくらいで構わない。
2. 白菜に塩をむらなくまぶし、ジッパー付きの袋に入れ、白菜の2倍近くの重しを乗せる。これが下漬けとなる。一晩そのままにする。
3. 重しをはずし、水を適度に捨てる。唐辛子と、刻んだ昆布を袋に加えてさらに半日置く。1週間を目安に食べきる。

野菜は白菜でなくても小松菜、かぶ、セロリなどなんでも構いません。水分の少ない物は3%の塩水に浸して下漬けとします。

2014年1月28日火曜日

紅茶店の福袋


何のきっかけだったか忘れましたが、私は紅茶や中国茶などの茶類が大好きです。(当時は見栄もあったのかもしれませんが…)色々な茶葉を常備しておいて、その時々の気分で、目の覚めるようなアッサム、ゆっくり過ごしたい休日の朝にはチャイ、おいしいお菓子が手に入ったらダージリンでのんびりと…というふうに。

もう10年近く前になるでしょうか。適当に買ったティーバッグでは次第に飽き足らなくなり、しかしそのとき住んでいた大阪には専門店がない。いつしかネット通販でいわゆる「農園もの」を求めるようになりました。そのお店は『Gclef(ジークレフ)』。何度も買い物をしているうちに「どんな店なんだろう?」と思いを巡らせるようになりましたが、たまたま就職活動で東京に出かけた際に実店舗にお邪魔したとき、そのゆったりした雰囲気と、気前良く出される試飲の数々に感激したものでした。
全国どこに暮らしていても、あらゆるものがネット通販で手に入る便利な世の中になりましたが、やはり実店舗の魅力もまだまだ健在です。千葉に住んでいた頃は中央線直通の東西線で、吉祥寺までよく足を運んでいたものでした。


ところで、百貨店で福袋を大量に見かけますが、実はお茶専門店の中にも福袋を扱っているところがあります。中身は前年に販売した農園もののお茶類や、店によっては小道具が入ることもありますが、良い物を大量に、安く買うことができます。この機会に1年分のお茶を一気に仕入れる…なんてことも。

少し遠いけど、今年も行って、福袋を買おう。お正月の休みを利用して静岡から東京の方へ久しぶりに出かけました。東海道本線の鈍行で、片道2時間以上かけての小旅行です。そこで『ジークレフ』を久しぶりに訪ねました。

落ち着いた店内の雰囲気は、初めて訪れたときと変わりません。まあお茶の袋の色は確か変わったはずですが。
そして実店舗の醍醐味、試飲。さて何にしようかなと迷っていると
「面白いお茶が入ったんです。イギリスの品評会で金賞を取った国産紅茶なのですが」
店員さんに勧められていただいた紅茶は、本当に今まで味わったことのない個性的な紅茶でした。

素敵なお茶との出会い、お茶好きな店員さんとの茶話、ゆったり静かに流れる時間。身の回りでは色々なことが目まぐるしく変わっていくものの、このお茶屋さんは今もゆったりとした時間が流れているし、それはいつまでも変わらないに違いない。
そう思うと、ほっとします。

2014年1月21日火曜日

乾燥の季節とカレンデュラ軟膏


冬の水仕事が増えると次第に手荒れが気になってきます。ひび、あかぎれを防ぐポイントは、水仕事や手洗いをしたら、すぐに保湿クリームを塗り、肌を保護することです。

しかし真冬になるとクリームでは保湿が追いつかなくなることがあります。クリームは水と油脂を乳化した基材が原料なので、伸ばしやすく肌にすっと馴染みますが、油分が少ないことから長時間カバーできないのが弱点です。

そこで、油脂の基材を用いた軟膏やワセリンも併せて使ってみましょう。これらはべたつくのが難点ですが、油分がそのまま使用されていますので肌を強力にカバーします。
ふだん使いにはクリーム剤で細かくケア、例えば寝る前、手袋を着けるときのように、物に触れない時は軟膏でしっかり保湿するのがおすすめです。

今回は軟膏を手作りしてみましょう。カレンデュラの浸出油を使用しました。カレンデュラオイルの詳細な紹介は過去の記事に掲載してあります。「カレンデュラ軟膏を作りましょう



【カレンデュラ軟膏(約40cc)】
・材料
カレンデュラオイル(作りやすい分量)
 カレンデュラ…2g
 好みのキャリアオイル…60cc
カレンデュラオイル…25cc
ビーワックス(みつろう)…5g
ローズウォーター(なければ精製水)…10cc

・作り方
1. カレンデュラオイルを作る。清潔なビンに材料をすべて入れ、2週間置く。途中1日に1回程度、ビンを振る。
2.1をコーヒーフィルターなどで漉す。3ヶ月程度は保存可能。
3. 軟膏にする。分量のカレンデュラオイルとビーワックスを、ビーカーや小鍋などに入れて湯煎にかける。木べらなどで混ぜながら、ビーワックスが完全に溶けるまで温めて湯煎からはずす。
4. 温かいうちに、かき混ぜながらローズウォーター(または精製水)を少しずつ加える。水分と油が分離しないようにしっかり混ぜること。白っぽく、粘りけが出るようになれば清潔な容器に移す。1ヶ月程度で使いきるのが望ましい。

2014年1月18日土曜日

フレッシュハーブを使いこなそう!その3 ハーブの選び方から保存、下処理

ハーブの葉を指でこすって香りをみたり、葉に折り目をつけて香りを引き出す。香り豊かなハーブ類はちょっとしたことでその香りを更に引き出すことができます。しかし、逆に言えば些細なことでも香りが抜けてしまうということでもあります。ハーブの香り成分である精油は無限に蓄積されているわけではないので、ハーブはていねいに扱うように心がけて、その香りを保つようにしたいもの。

今回はフレッシュハーブの選び方から下処理のポイントを紹介します。


■選ぶ
目利きそれほど難しく考えなくても良いと思います。葉物、青物野菜を見るように探してみましょう。
全体的にみずみずしいもの、しゃきっとしているもの、黒く変色していないものを選びます。


■手に触れるとき
なるべく茎や枝の部分を持つようにし、葉の部分を強く握らないようにします。葉は非常にデリケートなので衝撃を与えると、時間が経つと変色してしまいます。特に夏場には注意が必要です。


■保存
日持ちがしないのでなるべく早く使いきります。
当日使うのであれば切り花のように水に差しておくと良いでしょう。日を置く場合は湿らせたキッチンペーパーにハーブを包み、更にビニール袋に入れて乾燥を防いだら、冷蔵庫の野菜室で保存します。
例外はバジル。冷気が苦手なので冷蔵庫に入れると黒ずんでしまいます。冷暗所に保管し、なるべく早く使いきるのが良いでしょう。


■洗う
普通の野菜のように流水で洗うと、葉に傷がついてしまい、精油が水に流れてしまいます。また変色してしまう恐れもあります。きれいなものでしたら水を張ったボウルに入れ、洗濯のつけ洗いのように上から軽く押さえる程度にします。
水から上げたら、キッチンペーパーか乾いたふきんで水気を拭き取ります。葉の奥には意外と水分が残りやすいので、ここは念入りに。
ただし、バジルの葉は水に非常に弱いので汚れがなければ表面をふきんで拭く程度で良いでしょう。


次回はハーブの使い方です。

2014年1月2日木曜日

新しい環境で迎える新年


明けましておめでとうございます。

年末恒例のおせち作り。いつもなら1週間前には大抵の買い物を済ませて、2日くらいかけてのんびり作ります。しかし今年はぜんぜん時間がなく、大晦日の夕方から大急ぎでこしらえました。まあ何とか形にはしましたが、去年後半の慌ただしい一年を象徴したかのようなおせちになった気がします。


秋になってからというもの、ブログの更新もすっかり滞るようになってしまいました。
なんとかしたいと思ってはいるものの、何しろ新しい仕事についていくのに必死で、料理やお菓子作りに注ぐ余力が無いと言いますか、どうしても休みは気が抜けたようになってしまうんです。

今の仕事、農業の職場でイメージするものといえば、お年寄りがのんびりと作業をしているようなものを思い浮かぶかもしれません。しかし私が働いている所は真逆で、「農業はスピードが大切!」と耳にタコができるほど叩き込まれています。ふたを開ければ、まさに石にかじりつく心づもりで、職人技を早く身につけないと生きていけない世界でした。まあ改めて考えれば、薄利多売の農業に効率が求められるのは当然なのですが…


それでも年末年始の行事は欠かしません。おせち作り然り、初詣も然り。
初詣でのおみくじは『吉』と出ました。なんでも今年は「実力を蓄えて明日の進出に備えるとき」なのだそう。なんだか不意を突いたかのように現れた、今の自分にぴたりと合った結果。思わず笑いが込み上げました。
そうか、この一年は修行の年と思えばいいんだな…


良い年になりますように。