2014年12月2日火曜日

ハーブは洗わずに使うべきか

料理用のフレッシュハーブは、無農薬栽培のものは洗わないで使いたいという意見をたまに耳にします。主にバジルに対してなのですが、しかし私は、どのハーブでも一度は水を通し、汚れを落としてから使うのが良いと思っています。

確かに、ハーブの香り成分は水溶性のものが多く、水に長時間浸すと持ち味の香りが失われてしまいます。加えて葉が湿気に弱く傷みやすい性質を持っています。ミントやルッコラはまだしも、例えばタイム、ローズマリー、セージは葉が蒸れやすく、水気は黒ずみの原因になります。中でもバジルは別格といえるほどデリケートなので丁寧に扱う料理人も多く、生産者も収穫やパック詰めには細心の注意を払っているくらいです。

しかし、やはり外で作られた作物のことですから、一見綺麗そうに見えても土埃や雨などで案外汚れいているものです。また無農薬には害虫がつきもの。アブラムシや蜘蛛、チョウなどが葉の裏に住み着いていたり、卵を産みつけていることもあります。これは露地栽培だけでなくハウス栽培でもそうで、生産者も気がつけば出荷前に虫は落とすようには心がけているとは思うのですが、完全に落としきるのを期待するのは無理と言うものです。


ハーブの香りを保つ洗い方のコツは2つあります。

・水の張ったボウルで優しくすすぐ
葉に傷をつけないためです。流水などの強い衝撃にさらすと葉に傷ができてしまい、そこから香りの成分が水に溶けて流れてしまいます。溜めた水に浸し、手で上から優しく押さえてやり、沈殿した汚れを拾わないようにそっとすくいます。

・調理する直前に洗う
水に濡れたままで放置すると葉が黒ずみ、品質も劣化します。もし洗ってしばらく使わないのであれば、表面の水気をキッチンペーパーなどで優しく取り除き、冷蔵庫で保管すると良いでしょう。


ハーブティーにするのであれば、コーヒーフィルターなどのペーパーでこせば、事前に洗わなくても汚れは取れます。カモミールやラベンダーなどの繊細な花類から香りを抽出する場合に有効です。茶こしではどれだけ目の細かいものでも取りきれない汚れがあるためで、むしろペーパーでこす方がおすすめです。

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