2013年4月26日金曜日

本の紹介『ボタニカルズ式 ハーブティー Perfect Book』

ハーブティーが好きな知人にそのきっかけを尋ねたところ、友人に某ブランドのティーバッグをプレゼントされたのが始まりなのだそう。これが知人の口に合い、「ハーブティーはこんなにおいしいものだったのか!」と感激して以来、色々な企業のティーを試すようになり、今や知人は自分でブレンドするまでに至りました。

しかし、もしプレゼントのティーが知人の口に合わなければ、おそらくそれ以降ハーブティーを愛用することはなくなってしまっていたのでは。子供がコーヒーやビールの泡を初めて口にしたとき、あまりの苦さが記憶に焼き付いて離れず十年以上も経ってようやく飲めるようになった、とはよく聞きますが、これは他の食べ物や飲み物もまた同じ。
ハーブティーの「最初のひと口」で以降のハーバルライフが始まるか否かが決まる、とは大げさかもしれませんが、縁を作るものと思うと味というものは重要だと思うのです。

しかしハーブティーを紹介する本は、それぞれのハーブの効能を解説するものがほとんどなのが現状です。ブレンドのレシピも効能を第一に考慮されている一方で、どの本もどうして味への言及は無いのだろうと疑問を抱いていました。

どれだけ薬効を謳っているとはいえ「ティー」なのですから、長く愛用するには美味しいものがいいに決まっています。


その点で『ボタニカルズ式 ハーブティー Perfect Book(河出書房新社)』はハーブの「美味しい」ブレンド作りに焦点をあてた珍しい本。個々のハーブの味を「甘味」「酸味」「渋み」「苦味」「うま味」の5種類で分析し、チャート形式でまとめています。

もともとこの本を監修したボタニカルズ(現:エンハーブ)は美味しいハーブティーで名の知れたブランドです。7種類近くのハーブを複雑な配分で混ぜたブレンドティーは、効能だけではなく美味しさも追求されており、効能と美味しさとのバランスのとれた印象があります。

この本では個々のハーブの分析だけでなく、ブレンドのテクニックもあれば、「リラックス」「美容」といった大まかなカテゴリでハーブを分類した一覧もあります。扱うハーブも65種類と充分すぎるほど。お店のブレンドティーもいいけれど、自分で好みのハーブをブレンドして楽しみたいという中級者へのステップアップにはオススメの一冊です。


しかし惜しいのは、ブレンドのレシピがこれまた効能を重視していること。せっかく単体のハーブではチャート形式で細やかに味を分析しているというのに、ブレンドとなると味にはほとんど触れられていないのは少し残念です。チャートをブレンドにどう活かすのか、実例を見たかったのですが…まあしかし、ハーブティーは結局、効能を中心にブレンドしておけば間違いない、ということなのかもしれません?

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